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今週の一言

 

歴史と向きあい、日本国憲法の価値を発信するために

2010年2月1日

大野一夫さん(歴史教育者協議会事務局長)

 2月11日、「歴史に学び憲法を生かし 東アジアに世界に平和を」をテーマに「建国記念の日」反対2・11集会をおこないます。東京でおこなわれる集会は、今年で44回目になります。
・ 2月11日(木)13時半開会/日本橋公会堂ホール/参加費500円
・ 講演「朝鮮半島と日本の過去と現在─『韓国併合』100年が問うもの」(千葉大学・趙景達)/「いまこそ憲法が生きる政治へ」(龍谷大学・森英樹)
・ 各分野からの発言(貧困と格差をなくし子どものゆたかな成長を保障する教育/ビラ配布への弾圧と表現の自由/辺野古から見える沖縄の基地)
・ 主催 「建国記念の日」に反対し思想・信教の自由を守る連絡会
 また、今年も、全国各地で「紀元節復活」を許さない2・11集会が企画されています。

 戦後、日本国憲法の精神にそぐわないとして、紀元節は廃止されました。ところが、日本が軍国主義復活の道を歩み出した1950年代から紀元節復活に向けた動きがはじまっていきました。何度も国会に「建国記念日」を求める法案が提出されるようになります。しかし、2月11日が歴史的な根拠のない「紀元節」復活にすぎないため、成立には至りませんでした。1966年、政府のもとに設置された「建国記念日審議会」は、2月11日と答申し、「建国記念の日」が翌年から実施されることになります。ちょうど1966年は、中央教育審議会が「期待される人間像」を答申しています。愛国心と天皇への敬愛を柱とするものでした。紀元節復活は、この「人間像」と重なります。紀元節復活を祝う勢力にとっては、「建国記念の日」は、愛国心鼓舞の日の象徴ともなりました。しかし、こうした動きは、日本国憲法の理念とは相反するものです。そのため、これまで、私たちは、「建国記念の日」反対2・11集会を1967年から開催し続けてきました。歴史と向きあう、また、日本国憲法の理念を学びあう、軍国主義の復活に反対する集会として位置づけてきました。
 今年は、「韓国併合」100年の年におこなわれる集会です。日清・日露戦争から、日本は朝鮮半島への侵略を進め、1910年には「併合」の形をとり、朝鮮半島を植民地化してきました。1945年、日本の敗戦によって朝鮮半島は解放されます。しかし、植民地化してきた歴史は、現在も日本に問われています。とくに、今日になっても、「日本が侵略国家だったなどというのは濡れ衣である」「日本はいいこともやった」などと歴史を歪曲する動きがあります。「慰安婦」の記述を削除した歴史教科書問題、「独島」問題もあります。歴史をきちんと受けとめ、「韓国併合」の日本の責任、未解決の戦後補償について取り組まなければなりません。歴史の真実と向きあうことなしに、平和と友好関係を進めることはできません。2010年の今年は、東アジアと共有できる歴史認識を築くときです。
 今日、「国旗掲揚・国歌斉唱」の強制が、教育現場に広がっています。新しい学習指導要領では、伝統と文化の継承・発展のもと、郷土愛と愛国心の道徳教育が全面に打ち出されています。2006年の教育基本法「改正」に基づいているからです。日本国憲法が保障する思想・良心の自由、学問の自由は脅かされています。また、2009年の政権交代によっても日米同盟の強化が謳われています。解釈改憲と自衛隊の海外派兵のもくろみ、武器輸出の原則も揺らいでいます。沖縄の基地問題も解決の糸口が見えません。日本の軍事大国化に歯止めをかけ、東アジアや世界に平和を築く取り組みはいっそう重要です。日本国憲法第9条の戦争放棄と平和主義を、世界に向けて発信することは、日本の役割です。
 この2・11集会は、参加することで一人ひとりが、紀元節復活に反対する意思を発信する担い手となる、日本国憲法が生きる政治・社会をつくる担い手となることも求めています。

◆大野一夫(おおの かずお)さんのプロフィール

1947年 東京都に生まれる
千葉県公立中学校教員を経て、現在、歴史教育者協議会事務局長、千葉大・東洋大講師(非常勤)
主な著書:『新・中学校公民の板書』『歴史の授業と板書』(地歴社)、『平和と戦争の絵本』第2巻(大月書店)、『仕事の絵本』第6巻(大月書店)、『イラストで学べる選挙制度』全3巻(汐文社)など。



 
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