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普天間基地閉鎖と辺野古新基地建設反対闘争

2009年12月21日

安次富浩さん(ヘリ基地反対協代表委員)

 私たちは、1997年、普天間基地の代替施設として新たな米軍基地建設計画に対し、「大事なことはみんなで決めよう!」と立ち上がり、名護市の市民投票では「海上基地建設NO!」の意思を示しました。しかしその後、市民の意思は無視され、新基地計画は中味を二転三転させながら、12年後の現在まで闘い続けています。その間、日本政府による様々な「アメとムチ」政策は地域共同体に亀裂を生み出し、多くの人びとが悩み苦しんでいます。


辺野古海岸に張られた鉄条網に平和リボンを結ぶ
春田一吉さん提供

 辺野古の闘いの大義はまず「平和」です。そもそも沖縄は、旧日本軍が存在しなかった平和な島でした。本土決戦の時間稼ぎ(持久戦)として旧日本軍が配置され、県民の土地を接収し、沖縄戦後は本土攻撃の基地として米軍が占拠しました。敗戦後、昭和天皇メッセージによるお墨付きのもと、米軍占領支配のなか“銃剣とブルドーザー”による土地強奪が行われました。米軍植民地支配時代には朝鮮戦争やベトナム戦争への、日本復帰後はイラクやアフガニスタンとの戦争の出撃基地とされています。在日米軍の専用施設の75%が沖縄に集中しています。自公政権は沖縄に軍事基地との「共存・共生」を押し付けてきました。在沖米兵による事件・事故後に繰り返される「遺憾の意」表明と米軍人・軍属の「良き隣人政策」です。日本の平和と安全のために沖縄が犠牲になって欲しいということであり、日本政府は米軍の共犯者です。

 大義の二つ目は「環境」です。辺野古リーフ内〜大浦湾は、生物多様性の豊かな美ら海です。絶滅危惧種ジュゴン、ウミガメ、アオサンゴ群落を守らなければなりません。辺野古新基地建設のための環境アセス調査が行われましたが、当初、政府は公開の県環境影響評価(アセス)審査会に基地の設計図すら示しませんでした。アメリカとの協議中だからという理由でした。07年3月になってやっと追加方法書として設計図の中味を出してきました。1600メートルのV字形滑走路を持つ新基地予定の側には辺野古弾薬庫があり、実弾を積むことができる装弾場を作り、ヘリパットも作ります。200メートルの埠頭を造るため、大浦湾は軍港になります。環境省の調査では「消えたジュゴン」となっています。このように防衛省の環境調査は杜撰でデータ隠しであり、アセス法で規定する手続を踏んでいません。それゆえ、私たちは「辺野古違法アセス糾弾訴訟」を提訴しました。また、様々な軍事演習は大規模なCO2を排出し、この面でも環境破壊をもたらしています。

 三つ目は「財政(税金)」です。新基地の建設費の見積もりは3.500億円に上りますが実際はもっと掛かるでしょう。普天間基地機能の一部をグァムに移転する協定では日本が7,000億円を負担することになりました。世界に突出する思いやり予算です。アメリカの同盟国の対米支援総額の50%もを日本が負担しています。1978年以降、総額5兆6000億円を超える思いやり予算が出ています。


大浦湾のサンゴ群
春田一吉さん提供

 先月8日の県民集会に2万1千人が集まりました。運動会シーズンやツールド沖縄など年1回の大きな行事が集中する時期なのに、よく集まったと思います。海外メディアは、ロイター通信、ニューヨークタイムズ、アルジャジーラなどが取材に来て報道しました。しかし、日本のマスメディアは大きく報道しませんでした。国民の視点に立っていないのです。

 私たちは、普天間基地の機能の停止が先決だと考えています。移設先の論議はその後に行うことです。それに、不平等協定である「日米地位協定」の抜本的な改正が必要です。先日も、沖縄県中部の読谷村で米兵の轢き逃げ事件がありました。犯人は今でも米軍基地にいます。鳩山首相は身柄の引渡しを求めていますが、言葉だけです。これは沖縄だけの問題ではありません。横須賀、岩国、佐世保など米軍基地のある所でも類似の事件には泣き寝入りです。日米安保体制を軍事同盟ではなく、平和友好条約に変える運動を作りましょう。そうして初めて、日本はアジアから信頼されます。アジアの平和を創るために、辺野古の新基地建設を断念させるため、頑張っていきます。
(09年12月14日現在)



 
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