法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

今週の一言

 

豆腐をつまみに憲法を語り合う

2009年6月22日

畦布哲志さん(「とうふ連九条の会」代表)


―――「とうふ連九条の会」の「とうふ」はお豆腐のことですね。なぜ「とうふ」なのですか。
(畦布さん)
 2003年に自衛隊をイラクに派遣する時、当時の小泉首相はそれを、憲法前文を引用して正当化しました。自衛隊のイラクへの派遣は明らかに憲法違反なのに、よりによってその根拠に憲法前文をあげたのです。私は愕然としました。
 当時学校の先生たちと話す機会がありました。聞いてみると、学校では憲法の内容とその考え方があまり教えられていない、子どもたちは憲法のことをほとんど知らずに社会に出て行くと言うんです。私は、“そうか、みんな憲法を学んでいないから、小泉首相はイラクへの自衛隊派遣の根拠は憲法だと平然と言っているんだ”と思いました。そこで、憲法を守る運動は、まずは人々に憲法を知らせることから始めなければならない、と考えたんです。
 私は仲間たちと、「もめんのように味わい深く、絹こしのようにしなやかに」お互いの人生を軽やかに乗り切ろうと、そして、「健康を支えるトーフをはじめとした大事な栄養が詰まった料理を味わいながら、今ある平和なひと時のささやかな幸せを噛みしめ、この平和がいつまでも続くことを願い」、「とうふ連九条の会」を結成しました。私たちは、憲法9条を語り広げるために、できるだけ多くの人たちが日常生活の中で語っていけるようにすることが大事だと考え、このような考えから名前も決めました。

―――「とうふ連九条の会」の呼びかけへの反響も大きかったようですね。
(畦布さん)
 2006年3月14日に呼びかけを発表したら、マスコミも関心を示し、記事にしてくれました。そして、あちこちから、“豆腐を食べ、お酒を飲みながら憲法9条について語るということなら自分たちでもできる” “このような誰でも気軽に参加できる呼びかけを待っていたんだ”という声を寄せられました。

―――実際の活動についてお聞かせください。
(畦布さん)
 2006年の結成総会では、料理とお酒、そして9人の親父ミュージシャンのグループ(オヤジーズ)+女性1人で「九+1=10(トー)フレンズ」というバンドによる歌で盛り上がりました。毎年10月2日の「豆腐記念日」には「とうふサミット」を開催します。豆腐は白いので毎年3月14日の「ホワイトデー」にもイベントを開催します。
 とにかく、集まり、食べ、飲み、語り合っているんですが、集まるたびに新しい会員が増えることも嬉しく思っています。

―――豆腐を通して憲法を考えるという企画には様々なところからの協力も広がっているようですね。
(畦布さん)
戦争体験者から「戦争の時、食卓から一番初めに消えた食材は豆腐だった」という話がありました。その理由は、「豆腐のつくり手は男性で、つくり手の男性は皆な兵隊にとられ、豆腐のつくり手がいなくなったから」「大豆は、ほとんどが外国からの輸入品だった。戦争のために、豆腐の原料の大豆が外国から入らなくなったから」ということでした。日本豆腐協会の資料によると、「第二次世界大戦の時、にがりの中の塩化マグネシウムを原料としてマグネシウム金属を取るためににがりが統制となり入手困難になりました。」という記述がありました。戦争と豆腐が、意外と密接な関係にあったことを知り、憲法を「身近な生活の場で語る」ことの重要性と「平和の尊さ」を改めて思い知りました。
こうしたことからか、イベントを開催する時には農民連(農民運動全国連合会)などが協力してくださり、豆腐づくり名人を派遣してくださっています。
「とうふ連九条の会」の会員証を提示すると何らかの割引をしてくださる居酒屋さんもあります。

―――「とうふ連九条の会」はユニークな憲法グッズを広げる活動もしていますよね。
(畦布さん)
 いろいろな活動を進めるには活動資金も必要です。
まずは「平和憲法を愛する人はセンスがいい」と、「9条扇子」をつくり普及しました。マスコミも紹介してくれ、多くの人々に広げることができました。
また、次のキャッチフレーズを掲げ、「9条カップ」を広げています。

お湯を注ぐと、日本国憲法9条の全文が浮き出る 不思議な、不思議な、「9条カップ」
向こう三軒両隣、合わせて五軒(護憲)
一戸に一個の「9条カップ」で、護憲つながり実現
9条カップを置いて、我が家も「護憲宣言」

―――「とうふ連九条の会」はこのたび本も出版されましたね。
(畦布さん)
 はい。『一行詩 のりのり(憲法) ないんじょう(9条)』です。これまで私たちは、いろいろな人たちからの、憲法9条をテーマにした「一行詩」を集めてきました。それを6月12日(6月の「豆腐の日」)に本にしました。私たちが全然知らなかった方々からも多くの応募がありました。8月12日(8月の「豆腐の日」)に「一行詩の広場」という集いを開催します。

―――ユニークな活動を楽しく広げていることがよくわかりました。最後に、みなさんが取り組みをすすめるにあたって大事にしていることをお聞かせください。
(畦布さん)
 私たちの取り組みには、阪神淡路大震災の経験からの影響が大きいと思います。私たちは震災に遭い、当時いろいろな人たちからの協力が必要になりました。その時、他の人々の協力を受けるには、多くの人々と同じ目線からの呼びかけ・働きかけが重要だということを私たちは学びました。
 それは憲法を広げる運動にも共通するように思います。憲法を専門的に語ることも必要ですが、できるだけ私たちは敷居を低くしながら多くの人々と憲法について語っていきたいと思っています。

―――皆さんの取り組みには多くの人々が共感するのではないでしょうか。どうもありがとうございました。

◆畦布哲志(あぜふてつし)さんのプロフィール

「とうふ連九条の会」代表。
きかんしジャーナリスト。日本機関紙協会兵庫県本部副理事長。JCJ(日本ジャーナリスト会議)会員。日本コミュニケーション学会会員。


 
[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]