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9条実現願うすべての人々と手をたずさえる
− 憲法9条京都の会

2009年4月6日

小笠原伸児さん(弁護士・「憲法9条京都の会」事務局長)


―――「憲法9条京都の会」は素晴らしい活動を展開されています。まず、その発足の経緯からお教えください。
(小笠原さん)
 2004年4月、京都憲法改悪阻止各界連絡会議、守ろう憲法と平和きょうとネット、憲法を生かす会、広げよう世界へ!生かせ憲法九条の会、の4団体を中心に、「憲法九条改悪に反対する署名運動推進京都実行委員会」(以下、署名実行委員会という)がつくられました。そして、その年の5月3日から署名行動が始まりました。そのような中で、その年の6月に大江健三郎さんなどの著名人が「九条の会」のアピールを出しました。署名実行委員会はただちに「九条の会」アピールに賛同する立場を明らかにし、その年の9月に開催された、京都での「九条の会」の講演会の開催に協力し、成功させました。
 京都には、憲法9条を守ろうという運動が多面的に、かつ力強く展開されてきた伝統がありました。私たちはかねてより、この運動は政治的な立場や信仰の違いを認め合いつつ、それぞれの個人と団体が力を合わせて進めるべきだと考えてきました。そのような経緯と考え方から、私たちは2008年6月に署名実行委員会につどう様々な個人、団体のみなさんが中心となって「憲法9条京都の会」を発足させました。

―――「憲法9条京都の会」の発足にあたっては、拙速を避け、9条の実現を願う多くの人々との合意を大事にしてきたようにお見受けしますが、経過をお聞かせください。
(小笠原さん)
 まずは「よびかけ」(下記)づくりの議論に時間をかけました。

憲法9条京都の会「よびかけ」

いのち ゆたかに すこやかに みんなの願い
いのち かけがえのない 奇蹟のような宝
いのち 尊び いつくしむ この上ないもの
いのちを 人らしく生きるのは 基本的人権
いのちの土台は やすらぎ 非暴力
いのちある わたしたち ともに平和に生きる喜び
つつましい 子育てを さいなむ 無情の政治
まじめに働いても 苦しい暮らしがつづく
あしたが暗くて 夢がしぼむ きょう
富める者は ほんの少数 貧困 飢餓は何億人
戦争は絶えない 自由と権利が奪われる
戦争放棄の第9条を 投げ捨てる
なぜ? なぜなの?
「政府の行為で 再び戦争を 起こさせない!」
「恐怖と欠乏からまぬがれて 平和のうちに生きる権利がある!」
「戦争はしない! 戦力は持たない! 国の交戦権は認めない!」
戦争被害者の 祈り 死者たちの遺言
いのち だきしめる人 暴力憎む人の 羅針盤 人類みんなの 希望
この憲法に 日本の誇りがあり 世界の信頼と敬愛がある
だから あなたもわたしも 誇らしく 憲法9条を実現するのです

 私たちは「よびかけ」が人々の心に訴えるものとなり、かつそれを多くの人々に馴染みやすい文章にしようと、その議論を大事にしました。
 世話人の人選にも心を配りました。できるだけ多様な立場の方々に就任していただきました。ここにも時間をかけました。
 「申し合わせ」づくりも慎重に進めました。「憲法9条京都の会」は個人、団体、グループごとに参加できるようにしたのですが、その関係が対等平等であるということについて繰り返し確認してきました。
 私たちがこのような合意づくりを大事にしたのは、「9条の実現を願う人々に対する敷居は設けない」ということです。この運動は、政治的な立場や信仰の違いを乗り越え、広く一般の人々が誰でもいつでも参加できるようにしなければならないと考えるからです。このことを実際に貫くことは決して簡単ではなく、常に心がけておかなければならないと思います。

―――全国各地に「九条の会」が広がっていますが、皆さんの取り組みは9条実現を願う多くの人々の共同を広げる上で、各地の活動の参考になるような気がします。
 実際に「憲法9条京都の会」は着実なとりくみを継続しているようですね。
(小笠原さん)
 2008年6月に開催した「発足の集い」にも、2008年11月3日に開催した憲法集会にも、1000人を超える方々に集まっていただきました。
 「憲法9条京都の会」が発足するまでは、私たちは、5.3憲法集会や11.3憲法集会などの一つひとつのイベントの企画と運営について、毎回、いわばゼロから議論して企画・運営してきました。この指とまれの方式ではなくて、はじめて参加する人の意見にも耳を傾けて、対等平等の立場で議論してみんなで決めるという方式をとってきたのです。
 「憲法9条京都の会」が結成されてからは、この会が主催するイベントであるために全くのゼロからというわけにはいきませんが、できるだけ、はじめての人も、意見を述べたり議論できたりしやすいような運営の仕方や会議の雰囲気づくりに気をつけていこうと、考えています。その意味で、「憲法9条京都の会」がいわば「民主主義の学校」のようになればいいなと思っています。
 この取り組みを通じて、一人ひとりが、あらためて憲法9条を自らのものとして守り、いかしていく、自主的で自覚的な主権者に成長していくことができたら、どのような政権ができようとも、9条改憲を阻止することができると確信しています。というよりも、9条を守る政権を誕生させることができると展望しています。

―――「憲法9条京都の会」の実際の運営にあたっての、事務局長である小笠原さんにはご苦労も多いと思いますが、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
(小笠原さん)
 今年の憲法記念日にあたって、5月2日にも円山音楽堂で憲法集会を開催します。記念講演は代表世話人の瀬戸内寂聴さんがしてくださり、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏秀さんにもスピーチしていただきます。

―――9条を実現する運動を広げていく上で、大変重要な取り組みと考え方を語っていただきました。本日はありがとうございました。

◆小笠原伸児(おがさわらしんじ)さんのプロフィール

1991年、弁護士登録。2005年、京都弁護士会副会長。2008年、日本弁護士連合会憲法問題委員会委員。
2008年、守ろう憲法と平和きょうとネット代表幹事などを務め、同年から「憲法9条京都の会」事務局長。

 


 
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