法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

今週の一言

 

戦争と平和の資料館 ピースあいち

2009年3月2日

野間美喜子さん(「ピースあいち」館長・弁護士)


―――「ピースあいち」は戦争とその記憶を語り継ぐ施設として2007年に開館し、様々な展示や企画を実施しておられます。大変充実した施設として多くの人びとに平和の大切さを伝えていると思います。まず、野間さんたちがこの施設をつくろうと考えた想いや経過について教えてください。
(野間さん)
 私は1939年生まれで、東京で戦災に遭いました。終戦の翌年、日本国憲法が公布された年に小学校に入学しました。その時に先生が読んでくれた憲法前文の平和主義の文章に、私は大変感銘を受けました。弁護士になった私は、憲法の理念をないがしろにする戦後の政治に心を痛め、名古屋弁護士会の中に憲法問題研究会をつくり、出版をしたり、イベントを開催しました。やがて私は戦争の資料や体験を集約・伝承する資料館をつくる必要性を考えるようになりました。友人たちと相談し、1993年、「戦争メモリアルセンターの建設を呼びかける会」を発足させ、愛知県と名古屋市に対して資料館の建設を求める運動を始めました。県も市も私たちの要求を積極的に検討してくれましたが、財政的な事情もあり、私たちの運動は壁に突き当たることになっていきました。そうした中で、2005年、84歳の女性から資料館建設のための土地90坪と建設資金1億円の寄付の申し出がありました。私たちはこの寄付を活用して資料館建設に踏み出すよう、あらためて県と市に働きかけましたが叶わず、私たち自身で民間の施設として開設することにし、2007年に開館の運びとなりました。

―――きれいな施設に充実した資料が見やすく展示されており、多くの方が訪れ、勉強しているのではないかと思いますが、どのような状況でしょうか。
(野間さん)
 「愛知県下の空襲」「戦争の全体像 15年戦争」「戦時下のくらし」「現代の戦争と平和」という4つの展示コーナーを設け、「こどもや学生のための展示室」もつくりました。このような施設は“戦争の被害の実相を伝える”ことが主眼か、それとも“加害の事実を伝える”ことが中心か、と尋ねられるのですが、15年戦争というものが全体としてどのようなものだったのかということを知り考えていただく施設にしています。
 小学校や高校の生徒さんたちの見学も増えてきました。小学生たちが、当時子どもたちが死んでいった写真や資料を見て、“戦争は兵隊さんだけが殺し合うんだと思っていたけど、子どもも死んでいったということがわかった。戦争はいけない”という感想を寄せてくれました。子どもたちもわかってくれて、私たちも励まされました。
 最近は学校からの依頼で「ピースあいち」のボランティアスタッフが学校を訪問して生徒たちと語り合う機会も生まれてきています。

―――施設の運営にはいろいろなご苦労も多いかと思いますが、ボランティアの方もたくさんいらっしゃるようですね。
(野間さん)
 高校の社会科の先生や大学教授、元校長先生や元新聞記者もいます。一般企業の役員の方もいて、多彩な方々が手伝ってくれています。展示の説明や館内の清掃まで、みんなで協力しています。毎日5人が施設で案内などをしていますが、みんなで交代しながら担当しています。それぞれの分野で活躍してきた皆さんはそれぞれ見識が高く、知恵を出し合いながら運営しています。
 高校生もボランティアに加わっています。インターネットが得意な若者もいて、資料をホームページにも掲載してもらいました。

―――「ピースあいち」はNPO法人である「平和のためのメモリアルセンター設立準備会」が運営されていますが、行政機関ともいろいろと相談されているのでしょうね。
(野間さん)
 「ピースあいち」では資料の展示のほかに、講演会や朗読会、映画上映会、ミニコンサートなども実施しています。
 施設はあくまで民間のものであり、その運営は私たちが自由に相談して決めることになりますが、愛知県・名古屋市も協力的ですので、ぜひその力も借りたいと思っています。

―――野間さんたちが実際に平和を語り合う場をつくったことによって、人びとが見学に訪れ、ボランティアが集い、資料の収集がすすんでいるのだと思います。すばらしいことだと思います。最後に、今後の課題と抱負についてお聞かせください。
(野間さん)
 基本的には、意義深い展示と企画を実施して、多くの方々に来場していただくことです。そのためにも、やはり施設を維持・運営していく財政基盤の確立が重要です。多くの方々に来館していただくとともに、会員の拡大や寄付集めなどをすすめています。施設の運営とその将来を担う若い方々に活躍してもらうことも課題です。

―――本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

◆野間美喜子(のま みきこ)さんのプロフィール

弁護士。「ピースあいち」館長。「あいち九条の会」代表世話人。

 


 
[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]