法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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今週の一言

 

人々の生存と平和のために

2009年1月1日

伊藤真(法学館憲法研究所所長)

新年おめでとうございます。
この国で生活する市民の雇用、福祉、生活が大変深刻な状況の中で、新年を迎えることになりました。憲法が謳うように、誰もが個人として尊重され、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が保障される社会の実現を求めていくことが、いつになく重要な年となります。総選挙においては、明確な国民の意思が示されるに違いありません。あらゆる場面において憲法状況が改善されるように、私も多くの方々と手をたずさえ微力を尽くす所存です。

昨秋、アメリカを震源とする金融恐慌が全世界に広がり、日本においても景気が急速に冷え込みました。多くの労働者が職を失い、学生の就職内定取り消しも多発しました。それは、後期高齢者医療制度の導入や年金支給漏れなどによって高齢者など社会的に弱い立場の方々の生活悪化が深刻化していたところにさらに追い討ちをかけるものでした。他方、防衛省の不祥事が多発する中でも、米軍再編への惜しみない協力は進んでいます。政府によって作り出された貧困・格差の問題と憲法9条の問題は表裏一体であることが改めて認識されます。

法学館憲法研究所は昨年、主席客員研究員である浦部法穂教授による連続講座「憲法の考え方」(現在も講座をインターネットで配信中。無料体験受講あり。申し込みはこちら)と「08秋! 憲法を本質的に考えるリレーレクチャー」を開講し、憲法の考え方を多くの方々に伝えてきました。また、『憲法9条 新鮮感覚 −日本・ドイツ学生対話』『世界史の中の憲法』(浦部法穂著)という2つの法学館憲法研究所双書を刊行することができました。9条世界会議(08年5月)の成功にも協力させていただくことができましたし、ドキュメンタリー映画「戦争をしない国 日本」のDVD化とその普及も進めてきました。私も講演、執筆などを通して憲法の考え方を多くの方々にお伝えすることができました。こうした様々なとりくみを続けてきたことはイラクでの航空自衛隊の活動を違憲とした名古屋高裁判決(08年4月)や政府の諸施策にも一定の影響を及ぼすことができたのではないかと自負しています。

いま、国民の生活の悪化はきわめて深刻な事態となっています。一方で自衛隊の海外への派兵が続き、それはアジアにおける平和構築に逆行することになっています。「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」(日本国憲法前文)が保障されるよう、その考え方を広め、実現していくための課題は山積みです。
すでに憲法「改正」のための手続き法が定められ、憲法「改正」を唱える政治家の動向によっては、来年以降に憲法「改正」国民投票も行われる状況となっています。
法学館憲法研究所はこうした状況をふまえ、今年、憲法の研究と普及の活動を新たに発展させようと考えています。引き続き、賛助会員客員研究員およびより多くの読者の皆様のお力添えをいただきながら、活動をすすめてまいります。
生活の厳しさが増す中ですが、読者の皆様のご健康とご活躍を祈り、倍旧のお力添えをお願いし、新年のごあいさつとします。



◆伊藤真所長のプロフィール

1958年生まれ。
1995年、憲法を実現する法曹養成のため「伊藤真の司法試験塾」(現在の伊藤塾)を開塾。
2002年、法学館憲法研究所を設立。所長に就任。
2007年、あらためて弁護士登録。法学館法律事務所所長。

日々発信している情報はこちら。動画メッセージもぜひご覧ください。

【市民向けの憲法関連著書】
『憲法のことが面白いほどわかる本』(中経出版、2000年)
『憲法のしくみがよくわかる本』(中経出版、2001年) 
『伊藤真の憲法入門』(第3版)(日本評論社、2004年)    
『伊藤真の明快!日本国憲法』(ナツメ社、2004年)
『高校生からわかる 日本国憲法の論点』(トランスビュー社、2005年)
『憲法の力』(集英社、2008年)
『伊藤真・長倉洋海の日本国憲法』(金曜日、2008年)
『「見てわかる」日本国憲法』(講談社、2008円)



 
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