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憲法を映写し続ける

2008年11月3日

鈴木文夫さん(映写技師)
―――鈴木さんは2003年度の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞されました。映写技師として受賞されたのは鈴木さんが初めてでしたよね。
(鈴木さん)
 この賞は映画人に贈られるんですが、受賞者は監督や役者の方が多く、映写技師の私が選ばれた時は驚きました。審査委員である映画監督の方々などが推薦してくださり、大変ありがたく思いました。

―――鈴木さんの映写技師としてのお仕事とその経験が評価されたのだと思います。
(鈴木さん)
私はずっと移動映写(映画館以外のホールや特設会場で映画を上映すること)の仕事をしてきました。この仕事は今年で53年目になります。移動映写が必要な時には、いろいろな人が声をかけてくださり、これまでやってくることができました。

―――鈴木さんは映写の仕事だけでなく、映画の製作もしてきましたよね。
(鈴木さん)
 私は電通で映写の仕事をしていた頃にいろいろな技術も身につけ、大きな仕事もさせてもらいました。その後、何か物足りなさを感じるようになりました。そして、『若者たち』(1967年、森川時久監督)(*関連情報)や『橋のない川』(1969年、今井正監督)に出会い、その自主上映運動に関わるようになりました。そんな中で『橋のない川』の原作者・住井すゑさんに出会うことになり、2002年に『住井すゑ 百歳の人間宣言』を完成させることになりました。
 住井さんは茨城県牛久に移り住み、そこに抱樸舎(ほうぼくしゃ)という施設を建てました。私は抱樸舎にミニシアターをつくるお手伝いをしました。その後、抱樸舎での学習会で住井さんがお話される様子を撮影しました。学習会はいつも満員でしたので、2階にテレビモニターを持ち込んで同時中継しなければならず、それで住井さんのお話を撮影することになったんです。その撮影が『住井すゑ 百歳の人間宣言』の製作につながっていったんです。

―――鈴木さんは戦争や差別に反対する気持ちが強く、住井すゑさんの作品や生き方に共感されたと聞いていますが、お話していただけますか。
(鈴木さん)
 私は子どもの頃から、軍国青年を育てようという内容の映画に違和感を持っていました。戦争が終わり、日本国憲法が制定され、当時の文部省が教材としてつくった「あたらしい憲法のはなし」に戦争放棄が書かれていることに感銘を受けました。また、学生の頃、今井正監督や山本薩夫監督の作品を観て、私もいずれ平和を希求する映画をつくりたいと思っていました。それが、『住井すゑ 百歳の人間宣言』の製作の実現に結びつきました。

―――鈴木さんはドキュメンタリー映画『戦争をしない国 日本』の製作・普及にも協力されました。それは鈴木さんの平和憲法への思いからだと思いますが、お話しください。
(鈴木さん)
 私は『住井すゑ 百歳の人間宣言』をつくった後に、映画『9−NINE− 憲法九条は訴える!』もつくりました。その頃は『日本の青空』の構想も出されていましたが、私は憲法の映画はいろいろなものがあってよい、劇映画もドキュメンタリー映画もあってよいと思い、協力しました。できあがった『戦争をしない国 日本』を観たら、私がずっと映写してきた記録映画の映像がふんだんに使われていました。まるで自分の映写の歴史のように感じました。

―――鈴木さんの憲法への思いをお聞かせいただきました。最後に今後の抱負をお聞かせください。
(鈴木さん)
 映写の仕事は続けていきますが、できればもう一つくらい映画をつくりたいと思っています。
 私は映画の世界で育ててもらいました。多くの人たちに映画の世界に加わっていただきたいと思っています。

―――本日はありがとうございました。

◆鈴木文夫(すずき ふみお)さんのプロフィール

1936年、東京生まれ。19歳から映写技師として、移動映写の仕事に従事。
2002年、『住井すゑ 百歳の人間宣言』を製作。
2005年、『9−NINE− 憲法九条は訴える!』を製作。


*2008年11月から映画『戦争をしない国 日本』のDVD販売が始まります。申し込みはこちらです。(法学館憲法研究所事務局)

 
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