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9条世界会議の成果を世界に伝える、次なる一歩
〜「9条世界会議ダイジェストDVD」と書籍「9条世界会議の記録」

2008年10月6日

森岡亮二さん(ピースボート)
――森岡さんは、今年5月に幕張メッセで開催された9条世界会議の実行委員会事務局にピースボートから参加され、ご活躍なさいました。熱気溢れる世界会議でしたが、その感動を記録として伝える「9条世界会議ダイジェストDVD」と書籍「9条世界会議の記録」が完成しました。森岡さんもDVDの制作に関わられたのですね。

(森岡さん)はい。9条世界会議は、41の国と地域から150名を超える海外ゲストを招き、日本中から3日間でのべ3万人が参加するという規模のとりくみでした。これを記録として残し、次につなげるというのはとても重要なことです。
実は、書籍のほうは、1年ぐらい前から準備が始まっていたのですが、映像記録については当初予定していませんでした。しかし、9条のことに関しては、来られなかった人も含めてもっと多くの人に内容を知ってもらいたい。書籍という記録は文字情報として有効ですが、息遣いやその場の雰囲気を肌で感じるには、やはり映像という媒体の影響力は非常に大きい。
 そこで、今年3月下旬ぐらいになってから、映像記録も制作することが決まり、準備が始まりました。とはいえ、本番まで正味1ヶ月です。時間も人手もなく、予算も限られている。このDVDの監督に、最初、これこれの予算ですがと相談したところ、「冗談でしょ」って(笑)。予算の問題もそうですが、世界会議の日程はゴールデンウィーク期間中でしたから、多くのプロ・カメラマンはもう撮影予定がいっぱい入っていて、依頼するのは無理だということがわかりました。
 結局、セミプロやアマチュアの方たち中心にボランティアでお願いして映像チームを組みました。でも、結果的には、これがとてもいい映像・作品を生み出す原動力にもなったんです。

――それはどういう理由で…?
(森岡さん)映像チームは4チーム、12台のカメラを回すことになりました。1台のカメラにカメラマンとアシスタント一人ずつ、計24人の人員が必要になったのですが、この人数を確保するために、一人ひとりに電話をかけて手伝ってくれるようお願いしました。基本的にボランティアでお願いするので、何故そうまでしてこれを撮りたいのか、9条の危機的状況、そのために9条世界会議を開くということ、そして広め伝えるために記録を残したいのだということ、一つひとつを説明していくわけです。既にそこから、9条を広めるとりくみになっていたんですね。その説明に納得し、賛同してくれた人たちが映像チームに入ってくださいました。
 皆、とても意欲的だったんです。プロの方ならお願いした仕事の範囲内できっちり撮ってくださったでしょうが、映像チームのボランティアの人たちの仕事は、映像に多少ブレなどがあったとしても、9条のことを記録に残して、後々DVDにしたときに、自分は9条のこういった部分を伝えたいんだという気持ちの詰まったワンカットワンカットでした。至らない点もあるでしょうが、血の通った、温か味のある映像ばかりでした。編集の段階で、集まったテープ198時間分を2時間に縮めなければならなかったんですが、削るのは本当に忍びなかったですね。
 それから、ゲスト全員からコメントをもらおうという発案も、映像チームから出されたものでした。公式の場での講演や発言以外に、控え室などの場所で、一人ひとりの方からお話を聞いてくる。もちろん、ゲスト一人ひとりの承諾をいただかなければならなかったので、それ自体大変な作業になったわけですが。しかし苦労の甲斐あって、貴重なお話を映像に収めることができました。多くの方に、このDVDと、会議全体の内容を網羅した書籍「9条世界会議の記録」とを活用していただきたいと思います。

――9条世界会議は閉幕後も各方面で大きな反響を呼んでいます。9条の絶対的平和主義という考え方は、残念ながら今のところ世界標準とはなっていません。憲法学者・研究者の間では、9条世界宣言を国際的指針として具体化しようという議論があるとききます。

ピースボートにて。壇上右側が森岡さん

(森岡さん)世界会議を通じて、9条の必要性というものを間近に感じました。海外ゲストの方がかなりの手応えを感じられていて、自分たちの国の中で9条の精神を活かしたいという要望が強く、世界宣言についてはその英訳を既に配布しているのですが、書籍やDVDも、英語版が欲しいという声が挙がっています。狭い意味での平和問題の分野だけでなく環境やエネルギー資源問題の分野でも、9条が求められているということを痛感した会議でしたが、しかし何といっても紛争地で暮らしている人たちの9条を欲する声は切実でした。パレスチナで話し合いによるイスラエルとの和平をめざすとりくみをされている方が、英語版もいいが、アラビア語版が欲しい、と。つまり、英語の解る人たちだけでなく、身の回りにいる一般の人たちに観てもらいたい、読んでもらいたい、ということなんですね。本当に、英語版だけでなく、スペイン語、フランス語、ドイツ語、そしてアラビア語と、世界中に発信できる記録を作りたいところです。とはいえ、まずは英語版ですね。世界会議閉幕後の、次なる一手として、日本国内でのこれらの普及とともに、英語版の製作、それが世界宣言を広める鍵にもなると思います。
 イベントとしての世界会議は終わったけれども、世界会議の仕事に終わりはないと思うんですね。本当に9条が世界標準になるまで、頑張っていきたいですね。

――本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


法学館憲法研究所では憲法Movie上映会で「9条世界会議DVD」を上映します。あわせてご案内いたします。

◆森岡亮二(もりおかりょうじ)さんのプロフィール

30才。国際交流NGO「ピースボート」専従スタッフ。災害復興支援のプロジェクトリーダーを務め、2004年に発生した新潟中越地震を始め、2005年にはスマトラ沖地震の被害を受けたスリランカ、2007年の新潟中越沖地震で現地に滞在し支援活動を続けた。
また、ピースボートに関する記録作成も担当し、「こんなに素敵なピースボート(2007年/ユビキタ・スタジオ)」、「9条世界会議のDVD(2008 年)」などの制作に関わる



 
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