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Peace Night 9−集まれ9児たち☆灯せ平和の光

2007年11月12日

岩崎明日香さん(「Peace Night 9」実行委員・東京大学学生)
―――11月16日に都内の学生が集い、憲法9条について語り合う、「Peace Night 9」が迫ってきましたね。まずは、岩崎さんが9条を守る運動をすすめている想いから聞かせてください。
(岩崎さん)
私は長崎の出身ですので、幼い頃から被爆者の話しを聞く機会がありました。そこで、戦争というものがいかに無実の人々を悲惨な目にあわせるかということを思い知らされてきました。私が通っていた高校も被爆の被害を受けていたので、平和教育に熱心でした。毎年8月9日には生徒が平和への願いを詩や作文にして発表し合うところでした。
ところが、私が大学に進学すると、平和のことなどを語り合う雰囲気がほとんどなくて、ショックを受けてしまいました。まわりの人に原爆のことや憲法9条のことを話そうとすると、それは偏った話題だと敬遠されてしまうような雰囲気があったんです。とても違和感がありました。
 そんな時に被爆三世の友人に誘われて「九条の会」の講演会に参加しました。そこで、有名な大江健三郎さんや井上ひさしさんの話しを聞き、大変感銘を受けました。講演会の終了後には参加した学生たちの交流の場も催されました。以降、私は大学の中で「九条の会」をつくり、9条を守り広げる運動をすすめるようになりました。

―――いま、学生の皆さんは憲法9条についてどのように考えているのでしょうか。
(岩崎さん)
 多くの学生は、“やはり平和な世の中であって欲しい。ただ、自衛隊がどんどん大きくなり、イラクにまで派遣されることには違和感を覚える。でも、だからといって、自分は何をどうすればよいかは分からない”、という感じだと思います。

―――ちょっとお聞きしたいんですが、憲法は法律と違っていて、それは国民が守るルールではなく、権力を持っている人たちを縛るものとして存在している、ということを学生の皆さんはどのくらい知っているのでしょうか。
(岩崎さん)
 そのように明確に理解している人はあまりいないと思います。と、言うか、高校までにそのように教えられることはあまりないように思います。
 その点で言うと、憲法「改正」問題に対して、自分がどうすればよいかが分からないという人が圧倒的に多いんですが、中には “権力に明確な縛りをかけるために憲法を改正すべきだ”、という意見の人がいます。とくに私の大学の学生にわりと多いと思うんです。私は、この人たちは、いまの改憲の方向性や政治の動きの具体的なこととは無関係に論じているような印象を持っていますが、このように考える人たちとどう議論していくかも重要な課題だと思っています。
 ただ、やはり、憲法「改正」問題に対して、自分がどうすればよいかが分からないという人が圧倒的に多いので、この人たちにどう働きかけるかが肝心だと思っています。

―――「Peace Night 9」に向け、各大学のとりくみはどのような状況でしょうか。
(岩崎さん)
 各大学で、講演会の開催、憲法アンケートの実施、フリーマーケットの実施、大学の先生方との連携、等々多様なとりくみがすすめられています。都内の学生自治会の連合体である都学連とも、合同企画を共催するなど連携をとっています。私の大学では、いわゆる「護憲派」・「改憲派」と呼ばれる論客を招いて対談企画を開催したところ、多くの学生が集まってくれました。「偏った」イベントを嫌がる傾向があるので、このような企画をしたんですが、参加した学生から“いままで憲法「改正」のことを自分があまり知らなかったということを気づかされた”とか“いままではマスコミの情報のみで判断していたが、知らないことがたくさんあった”などの声が寄せられました。
 「Peace Night 9」としては、できるだけ多くの学生に関心を持ってもらえるようなPRをしています。9条のとりくみというと“硬い”というイメージが強いので、できるだけ明るい雰囲気で、一緒に参加してもらえるようなチラシやパンフレットをつくりました。結構好評です。

―――「Peace Night 9」以降もとりくみは続くことになると思いますが、どんな計画を持っていますか。
(岩崎さん)
 学生は毎年どんどん卒業していくので、自分の後輩にとりくみを引き継いでいくのが重要な課題です。「Peace Night 9」以降は、まずは来年の新入生歓迎行事の時に何かできるよう、準備をすすめたいと思います。そして、再び大きなイベントができるように検討していきたいと思います。「Peace Night 9」の実行委員会ができてから、各大学間のネットワークが広がってきましたので、「九条の会」が無い大学での組織づくりもお互いに協力していこうということになっています。

―――学生の皆さんのとりくみには期待しています。ぜひがんばってください。

<法学館憲法研究所事務局から>

岩崎さんから、「Peace Night 9 東大実行委員会」のチラシに書いた詩と訴えをいただきましたので、以下ご紹介します。


 あなたの子どもでよかったと
 たったの一度も言えなかった
 恨んでしまっていたから

 教室より戦車を
 学校より基地を
 作ってしまうこの国で

 9条があるのに

 でも

 最期の力いっぱいの
 「さよなら」を
 手を握って聞いていた

 遠い地で
 飢えや砲弾の中で
 ひとりぼっち
 そんな逝きかたではなかった

 9条があるから
 
 海が見える部屋で
 見送った命と

 海の向こうのどこか
 今 奪われる命

 取り戻せない過去が
 未来を守れと教えている

 この手の中にあるはずの
 9条とともに


 私は今年の三月に父を亡くしました。お金がなくて不自由した家庭であったため、私は父を恨んでしまい、最期の瞬間も親であってくれたことの感謝を言えないままでした。動かしようもない無駄な戦車を作り続けずに、教育や福祉に力を注ぐ、憲法の精神が生かされる国であれば良かったのに・・・。今でもそう思っています。
 でも、9条がなく、他国と戦争をする国であったら、父は戦場に行っていたでしょう。飢えや攻撃の中で、孤独に死んでいたかもしれません。父の死を家族全員で看取ることができたのは、今ある9条の力なのだと信じています。だから私は、これからも9条に希望を託したいと思います。 

東京大学 3年 岩崎明日香


<法学館憲法研究所事務局から>

「Peace Night 9」の開催にあたって、当研究所の伊藤所長(=伊藤塾塾長)がメッセージを寄せています。こちらからご覧ください。

 


 
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