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『群読 日本国憲法』

2007年7月2日

堀口始さん(演出家)
―――『群読 日本国憲法』は憲法の重要な条文をみんなで声に出して読んだものですよね。実際にCDで聞いてみましたが、ユニークかつ重要な試みだと思いました。堀口さんはこの群読を演出されましたが、どのようないきさつでCDブックができあがったのでしょうか。
(堀口さん)
多くの国民は憲法の条文をあまり読んだことはないと思います。憲法「改正」が叫ばれるようになってきていますが、私は、まずは憲法の内容を知ることが大事だと思います。そして、ただ憲法の条文を目で追うだけでなく、実際に声に出して読んでみることが大事だと考えました。さらには、みんなで一緒に声に出して読んでみたらどうかと考えました。
群読をやってみないかと、青年劇場の俳優一人ひとりに声をかけたら、みんながよしやろうということになりました。ただ、少し躊躇するところもありました。なにしろ、読むものが憲法ですから、きちんとしたものにしないといけないという緊張感がありました。

―――実際にみなさんで群読されてみて、どうでしたでしょうか。
(堀口さん)
 私たちは日頃芝居をしていますから、憲法の条文の長さくらいのものを読むなら、普通その稽古も短くて済むんです。しかし、今回はCDを完成させるまでかなり稽古をしました。なにしろ、これは後々まで残るものですし、はずかしいものにするわけにはいきませんでした。群読した多くの俳優も「憲法の条文をこんなに真剣に読んだのは初めて」と言っています。

―――重要な言葉やフレーズは強調したり、くりかえしたり、いろいろと工夫していますよね。堀口さんは演出してみて、憲法についての見方が変わったところなどはありませんか。
(堀口さん)
 演出にあたっても憲法学者の高良鉄美先生(琉球大学)から様々なアドバイスをいただきました。
 今回、私自身も憲法の条文を何回も読み返しました。また、六法全書を買ってきて、各条文に関わる判例なども見てみました。そうしたら、私は、憲法はすごいものだとあらためて感じました。そして、現在唱えられているような憲法「改正」は全く不要だと思いました。

―――堀口さんはもともと憲法に対する思い入れが強かったようですね。
(堀口さん)
 私は外国の演劇人などと交流する機会が多くあります。以前、ロシアの知人から日本の繁栄を称えられたことがありました。その時、私は、日本の国民として世界に誇れることがあるとしたら、それは憲法だと言いました。彼は怪訝そうな顔をしていましたが、私が日本国憲法の人権尊重の内容などを説明すると、彼は言論の自由などは羨ましいと言い、日本の憲法に興味を感じてくれました。大変嬉しく思いました。

―――最後に憲法に関わって人々に伝えたいことを仰ってください。
(堀口さん)
 私は終戦後、学校で「あたらしい憲法のはなし」で憲法を学んだ世代です。当時の文部省が教科書として発行したものです。学校で社会科の先生から憲法を学び、憲法を真剣に読みましたが、この先生が実にすばらしい方だったからです。私は教師になろうとまで思いました。私は、実際には芝居の道に入ったんですが、ずっと憲法の精神を忘れずに生きてきたと思っています。私がこのような人生を送ることになったのは、あの時の先生のおかげだと思います。
 いま教育「改革」が進められていますが、教育というのは本当に重要だと思います。

―――貴重なお話をありがとうございました。今後とも憲法を共に語り広げていきたいと思います。


◆堀口始(ほりぐちはじめ)さんのプロフィール

1931年生まれ。青年劇場演出家。主な作品に「かげの砦」「おちこぼれ行進曲」「すみれさんが行く」「17才のオルゴール」「銃口 ― 教師・北森竜太の青春」などがある。


 
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