法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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今週の一言

 

「戦争をしないという宣言、本当にすごい!」

2007年6月4日

チャールズ・ワードさん(イギリス人青年)
 日本国憲法施行60周年の日である2007年5月3日、法学館憲法研究所は映画「戦争をしない国 日本」の上映会を開催しました。その上映会の際、イギリス人青年であるチャールズ・ワードさんに特別講演をしていただきました。その講演と質疑応答の概要を次のとおりご紹介します。       
(法学館憲法研究所事務局)


「いまの日本には様々な問題がある」

チャーリーです。平和を創るために自分に何ができるだろうと考え、行動しています。
以前から日本の文化に興味がありました。とりわけ日本の戦争をしないという憲法に、強く惹かれました。なんて強くて、自由な、勇気を持っている国なんだろうと思っていました。
来日してから、この1年間に私は自転車であちこちに行きました。40県くらい回って、旅先でいろんな人と話しているうちに、憲法9条のある日本が様々な問題を抱えていることを知りました。自衛隊は世界で5番目に多くお金を使っている「軍隊」です。平和の街と言われるヒロシマやナガサキにも自衛隊駐屯地があります。彼らは海外でも武器をもって活動をしています。沖縄にある米軍基地や山口県岩国の自衛隊基地は、税金を使ってその規模を拡大しています。
教育基本法は変えられました。日本には外国人差別がまだまだあります。日本の政府は、戦後補償をちゃんとやっていないと聞きました。新聞とテレビの伝えることは偏っていると思います。そして今、憲法が変えられようとしています。

「憲法9条を広げ、実現していく」

憲法9条は、戦争をなくすための解決策だと思います。紛争解決の手段として、絶対に武力を使わない。すべての国がそれを実行したら、戦争はなくなるはずです。だから、憲法9条を世界に広めることは、世界中の人々すべての願いです。でも日本で憲法が変えられたら、どうやって世界に広げることができますか?
また憲法は、現実に活かしていかなければなりません。沖縄県では憲法9条が活かされていません。憲法9条を、ただ守るだけでは充分ではない。守り、広げ、実現していく必要があります。
平和を創ることは、戦争をすることよりも、智恵と勇気と努力が要ります。人が努力しない限り平和は訪れません。沖縄の方が、様々なことを学ぶということは、すごく大事なことだけれども、ただ学ぶことにとどまっていては平和を実現することはできない、ということを言っていました。今このときに私が何もしないでいるということは、戦争に賛成するのと同じだと思っています。

チャールズ・ワードさんが配っている
“9ちゃん”

私は折り紙の“9ちゃん” を広めたいと思っています。“9ちゃん”は、憲法9条の“9ちゃん”。平和のハトです。“9ちゃん”を使って、人を楽しませることができる。“9ちゃん”を仲立ちにして、会話がスムーズになる。日本全国を回りながら、これまでに5000羽ぐらい配ってきました。あなたの友達、周りの人にも“9ちゃん”を持っていって「憲法9条の問題、知ってる?」と聞いてみてください。多くの人に“9ちゃん”を広めてください。私に「がんばって」と声をかけてくれる人がいますが、「一緒にがんばろう」と言ってもらえたらもっと嬉しい。人に話しかけるには勇気が要ります。初めから上手くできる人はいませんが、何回もやったら上手になります。

「一緒にがんばりましょう」

平和を考える上で、私は、「理解」と「共感」がキーワードになると思います。
まず理解することです。テレビの戦争報道も、漫然と受け流していると、政府は戦争を怖いと思う国民の感情を逆手にとって、国民の考えをコントロールしようとします。日本が攻撃されるかも、という恐怖心で、国民は自分勝手になったり、誇大妄想的になったりします。私たちは感情に振り回されずに、世界中で戦争が起きたらどうなるかを考え、本質を理解する努力が必要です。
そして、皆さんの日常の行動が平和につながることを考えてみてください。たとえば、歩いて行ける距離なのに、車に乗り、ガソリンを使っていませんか? イラクの戦争は何のためでしょうか? 石油のためだと言われますよね。一人ひとりが無駄遣いをやめることも平和を創ることに結びつくのです。
もう一つは、共感することです。現在、戦争の中で、辛い思いをしている人に共感してください。言われるがままに闘うしかない兵士たちに共感してください。また日本から攻撃されるのではないか、と恐れているアジアの国々の人たちに共感してください。
みなさん、平和のメッセージを周りの人たちに伝えてください。一緒にがんばりましょう。

――チャーリーさんは、日本国憲法9条のどういうところに魅力を感じたのか、お話いただけますか?またイギリスの他の若い人たちは、どう思うのでしょうか。
(チャーリーさん)初めて9条を読んだら、その意味は「NO WAR」、絶対に戦争をしない、これはすごいと思いました。戦争をしないという宣言、それはとても大切ですね。それがあれば、軍隊とかいろいろなものも要らない。それを世界中に広げたら、ベストですね。これはユニークな法だと思った。本当にすごい。イギリスの若者は、多分、ちょっと信じられないような感じでしょうね。えっ、それで大丈夫?と思うかもしれません。でも、私はすごく素敵な考えだと思う。

――チャーリーさんはどうして戦争がなくならないと思いますか。
(チャーリーさん)戦争をすれば、人やモノやおカネが動く。それで儲けている企業がある。日本でも、武器のパーツを造って、それをアメリカに輸出している会社があると聞きました。私はそういう会社には関わりたくない。もし自転車とかバイクとかの会社だったら、私はその会社のものは絶対買わないですよ。何故戦争はなくならないか、それが大きな理由だと思います。

――どのようにすれば日本国憲法9条の考え方を他の国にも広めてゆくことができるでしょう。
(チャーリーさん)考え方を広めるための教育活動などは、長期的にとても大切なことなんですけれど、それは成果が表れるまでに20年かかるでしょ。まず今は、この国の憲法9条を守ることが先決だと思います。そして世界に向けて、日本が憲法9条でお手本を示すことができればよいのではないでしょうか。


チャールズ・ワードさんのホームページはこちら


 
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