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今週の一言

 

いまこそ憲法擁護の声をあげる時ではないか!

2007年3月5日

吉川勇一さん(「市民意見広告運動」、「市民の意見30の会・東京」)
―――市民一人ひとりが憲法擁護を意思表示し、社会的アピールをしていく市民意見広告運動はいよいよ重要になっていると思います。吉川さんはこの運動について、今年はより特別な重要性があると仰っていますが、いまのお考えをお聞かせください。
(吉川さん)
安部政権が発足し、その任期中に改憲を実現しようという、とんでもない時代に突入しています。今年の参議院議員選挙は、今後改憲の動きに拍車がかかるのか、あるいはそれを押しとどめることができるのか、という剣が峰になると思います。そのように考えると、5月3日の憲法記念日に出す、今年のアピールとその運動も例年にはない取り組みにしなければならないと思っています。私たちは3月10日に集会を開催し、議論をすることにしています。集会では私も「市民運動と選挙」というテーマで発言・問題提起する予定です。

―――どんなことをお話するのですか?
(吉川さん)
いま、全国各地に様々な市民運動がありますが、中には、選挙には関わらず、引いてしまう傾向が少なくありません。1960〜70年代には「選挙なんてナンセンス!」という主張もありました。もちろん、市民運動が特定政党を支持するということは避けるべきですが、選挙に無関心ではいけないと思っています。「いまはそんな状況なのか?!ということを言いたいと思います。今日の改憲の動きに対抗する勢力の議席を伸ばさないと、大変な状況になるんです。私は護憲政党の皆さんにも、ぜひ市民団体の方々の期待に応える大胆な政策と取り組みをしてもらいたいと期待しています。

―――吉川さんは市民の意識も変化してきていると発言されていますよね。
(吉川さん)
私が住んでいる東京の西東京市でのことなんですが、昨年12月の市議会議員選挙で私の支持している友人の候補者がトップ当選したんです。私はその時の選挙広報を見てびっくりしました。というのは、私の友人以外の候補者はいずれも選挙広報で駅のエレベーターだの、通学児童の安全のため防犯ベルを持たせるだの、といったことばかりで、「憲法」あるいは「教育基本法」などの問題に一言も触れていないのです。「平和」という言葉さえないんですよ。街の中の身近な生活問題は重要なことですが、いま市民の期待や要求はそれにとどまらないんです。市民には見識があり、改憲をめぐる動きには敏感です。私は知人の高位当選を確信しましたが、結果は最高得票でした。

―――今日の改憲の動きに対して真正面から警告を発していくべき時期だということですよね。ところで市民意見広告運動は広がってきているのでしょうか。
(吉川さん)
やはり、多くの市民は改憲反対を具体的に意思表示する機会を求めているのだと思います。集会やデモには参加できなくても意思表示したい人がたくさんいるんです。この運動をはじめた頃は、賛同者とお金を集めるのに苦労しましたが、いまはどんどん広がっています。自分が住んでいる街の各家庭一軒一軒に市民意見広告運動のチラシを配布して呼びかけてくださる人もいます。定年退職にあたって退職金から多額のカンパをしてくださる方もいます。これまでは主として中央全国紙に意見広告を出す取り組みをしているんですが、大分や長野、広島等々各地で地元ローカル紙に意見広告を出す取り組みがすすめられるようになっています。私たちは昨年、読売新聞に意見広告を出したんですが、広告に対して読者から様々な意見や疑問が寄せられました。私たちはすべての意見・疑問に目を通し、これらに対する私たちの考えをまとめ、パンフレットにしました。このパンフレットはたいへんな反響をよび増刷を重ね、3月には書店から出版され、店頭にも並ぶことになりました。この運動が支持され、広がっていることは確かだと思います。
 ただ、私たちの取り組みもさらに工夫していかなければなりません。読売新聞は明確に改憲を主張していますから、読者も改憲に賛成する人が比較的多いだろう考え、昨年、私たちはあえて読売新聞に意見広告を出したんです。議論を起そうと思ったのですね。これまでの護憲運動は、ともすると内輪の中だけでの取り組みに終始しがちでしたが、問題は、改憲が必要だと思っている人びと、少なくともよくわからないと思っている人びとを、改憲は良くないのだという意見に変えさせてゆく活動が必要なのです。先のパンフレットもそのための努力の一つでした。9条改変反対は多数だと安心していてはいけません。その比率をもっともっと高めなければならないのです。

―――大変重要な取り組みのご経験とそれをふまえた問題提起をしていただきました。ありがとうございました。今後とも憲法とその考え方を広げるために共同していければと思います。


◆吉川勇一(よしかわゆういち)さんのプロフィール

1960〜70年代に「べ平連」(ベトナムに平和を!市民連合)の事務局長を務めるなど、長年平和運動に携わる。現在「市民の意見30の会・東京」、市民意見広告運動などの活動に力を入れている。また、障害者・患者九条の会の呼びかけ人としても活動。
『反戦平和の思想と行動(コメンタール戦後50年 第4巻)』(1995年。社会評論社)、『「アメリカは正しい」か――湾岸戦争をめぐる日米市民の対話』(1991年。第三書館)、『市民運動の宿題――ベトナム反戦から未来へ』(1991年。思想の科学社)、D・デリンジャー『「アメリカ」が知らないアメリカ』(訳書、1997年、藤原書店)『反核の論理――欧米・第三世界・日本』(共著。1982年。柘植書房)、『市民の暦』(共著。1973年。朝日新聞社)、『帰ってきた脱走兵――ベトナムの戦場から15年』(共著。1994年。第三書館)など、著書・訳書多数。
吉川勇一さんのホームページはこちら


 
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