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憲法? 〜 若者たちと語る

2006年11月20日
金子勝さん(立正大学教授)
木村康子さん(日本母親大会実行委員長)
山田真歩さん(編集者)
(テーマ)
・ 若者たちが憲法についてどう考えているか
・ 若者たちの問題意識をふまえつつ、若者たちと憲法をどう学び語り合うか

金子勝さん=金子
木村康子さん=木村
編集担当(若者代表):山田真歩=編集

編集
:今回この『憲法?』は、政治に関心がないような若い人たちにこそ読んでほしいということで作られたのですが、なぜ対象を「若者」にしたのでしょうか。

金子:やっぱりね、いま憲法について一番考えなくちゃいけないのは若い人たちなんですよ。というのは、憲法が変わって、その憲法のもとでこれから生きていかなくちゃいけないのは今の若い人たちでしょう。年寄りが集まって「あーだこーだ」言っても、あんまり関係ないわけですから。

木村:そうですね。それに未来を担う若者たちは、いまのこの現状をどんなふうに考えているのか知りたかった。だから「若者と憲法を語ろう」となったわけ。

編集:この本をつくるための第一回目の会議に、若者代表として参加させていただいた時、金子先生からされた質問をまだ覚えています。「若者たちは憲法についてどう考えているか」、「今の憲法に不満はあるか」といったことでした。

金子:そうでしたね(笑)。

編集:当時は憲法について深く考えたこともなかったから、いきなり「憲法についてどう思うか」なんて質問されても困ってしまって、ただポカーンとするだけでした。

木村:やっぱり政治に関心がないんですかね、今の若い子たちは……。フリーターやアルバイト、派遣労働者のひどい働かされ方は憲法違反なのに、自分たちを苦しめている政府の政策を批判して運動を起こそうとか思わないでしょう?

編集:自分の生活と政治がつながっているという実感があまりありませんでした。憲法についても同じで、まさか「こうしてお茶漬け食べていられるのも25条のおかげだ」なんて思わないわけです。もちろん自分の将来について不安に思ったり、給料が少なくてその日暮らしだったりということはありましたけど、「政治を変えよう」というふうには考えなかったと思います。

金子:それは教育の問題もありますね。日本では歴史や政治をしっかり教えちゃいけないっていうのが文科省の態度だから。外国と比べてみても、日本の若い人たちの政治への関心度はすごく低いですよ。

編集:ただ自分自身、この本の制作を通して「憲法が変われば、それにあわせて私たちの日常生活も大きく変わっていくんだ」ということがわかったんです。

金子:大日本帝国憲法が日本の中心だった時は、個人の自由や権利なんてなきに等しかったからね。いまは、どこかから走ってきた警察官に「そんな本を読むな! あやしい奴め」なんて捕まったり、個人の手紙を勝手に開封されて「政府を批判するようなことは書いてないか?」なんてチェックされたりしないから(笑)。

編集:はい。「憲法なんて、あってもなくても同じじゃないんだなあ」と初めて危機感をもちました。

木村:「憲法? なにそれ」くらいしか思っていない若者たちでも、こうやって語り合うなかで気がついていくこともあるんですから、私たちは一緒に考えるきっかけをもっと作っていかなきゃいけませんよね。

金子:そうですね。それと同時に、もっと僕らは若者のことを知らなきゃいけないよね。どんなことに関心があるのか、どんなことに悩んでいるのかとか、NHKの世論調査じゃないけど、やっぱりそういうことを知っていかないと、どんなに正しいことを叫んでみても一方通行になってしまいますから。

編集:時代は変わりますからね。その時代に合ったアプローチをしていくってことですか。そういう意味ではこの『憲法?』は中高生にもわかる楽しい憲法の本になっていると思います。

木村:私はね、この『憲法?』という本は、むしろ大人にこそ読んでほしいと思っているんですよ。

金子:ほう、そうですか。

木村:頭ではわかっていると思いつつ、実は知らないことが多くて、とても勉強になったから(笑)。私たち“大人”が、全国の“若者”と一緒にいろいろなことを語り合う糸口として、この本が広まっていくといいですね。

◆金子 勝(かねこ・まさる)さんのプロフィール

1944年、愛知県に生まれる。1966年、愛知大学法経学部法学科を卒業。1968年、愛知大学大学院法学研究科(公法学専攻)を修了。国民の「幸福」のために、世界と日本の憲法問題を科学的に解析するためには、憲法学・政治学・社会科学が必要であるとの考えから、憲法学・政治学・社会科学論を専攻。現在、立正大学教授。趣味は漫画と落語。

◆木村康子(きむら・やすこ)さんのプロフィール

1935年、東京都に生まれる。東京都立富士高校卒業の後、証券会社に勤務。その後、日本母親大会の事務局員となり、1996年、日本母親大会の実行委員長に就任し、現在に至る。金子勝氏との共著に、『やさしい憲法をお母さんへ』(自治体研究社)、『おかあさんと語る教育基本法』(本の泉社)などがある。

◆山田真歩(やまだ・まほ)さんのプロフィール

1981年、東京都に生まれる。『憲法?』制作にあたっての第一回目の会議に "若者"の一人として参加。当時は演劇や絵の勉強をしながらアルバイトをして生活をしていたが、その会議をきっかけに本の泉社で編集の仕事をすることになった。以来、今度は"編集者"として『憲法?』の会議に参加しつづけ、あらゆる疑問を投げかけながら若い人の視線から本をつくることに力を注いだ。現在も編集者として働いている。

 


 
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