法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

法学館憲法研究所

Mail info@jicl.jp
 
今週の一言
憲法情報Now
 憲法をめぐる動向
 イベント情報
 憲法関連裁判情報
 シネマ・DE・憲法
 憲法関連書籍・論文
 ■今日は何の日?
憲法Voice
研究所・客員研究員紹介
中高生のための憲法教室

憲法文献データベース
日本国憲法全文
リンク集
 
事務局よりお知らせ
賛助会員案内
メールマガジン
ご意見フォーム
サイトマップ

今週の一言

 

指揮外山雄三・演奏日本フィルハーモニーの
「9条がんばれ!弁護士と市民がつどう『第9』コンサート」
(9月26日午後7時開演・文京シビックホール)のお知らせ

2006年8月14日

澤藤統一郎さん(弁護士)
▽ 8月は戦争の体験を想起するとき。辛くとも、広島・長崎の地獄図に向き合い、敗戦の記憶を思い起こさねばならない。1億通りの悲劇に思いを巡らそう。誰にも語られることもなく埋もれた無数の悲劇にも。
  さらに、悲劇は国内にのみあったのではない。銃後の国民に支えられた皇軍の将兵が、近隣諸国の国民に与えた深刻な被害も、加害国の国民として見つめなければならない。
 まずは戦争の悲惨さに向き合い平和の貴重さを確認しよう。そして、戦争を起こした原因を追求しよう。そこから平和の構築が可能となる。

▽ 敗戦の惨禍で、戦争の悲惨は自明であった。その悲惨な戦争を起こした旧体制への深刻な反省から日本は再生し、日本国憲法が形づくられた。まさしく、「再び政府の行為によって戦争の惨禍がおこることのないやうにすることを決意して」日本国憲法は確定されたのだ。だから日本国憲法全体を、不再戦のシステムとして見ることができる。
  平和を基底的な理念とすることは、直接には9条と前文に掲げられている。不再戦を保障する確実な方法として戦力の不保持も定めた。
  それだけではない。旧体制においては国民は被支配者でしかなく、民主主義の過小が国民を望まぬ戦争に駆りたてた。国民主権、民主主義の徹底は、平和への手段でもある。
  さらに、国家の政策遂行よりも、一人の国民の人権の価値が優るという基本的人権の思想は「君のため、国のため」の戦争美化を否定する。
  国民精神を宗教的な情熱で戦争に総動員するシステムが靖国神社である。その靖国の思想を否定するものとして政教分離の原則が確定された。
  天皇制は残されたが、再び聖戦の唱道者としてはならない。それが象徴天皇制である。

▽ その憲法が今危うい。とりわけ、9条が揺れている。
  私は、弁護士の立場から、いくつかの「平和訴訟」や「政教分離訴訟」「日の丸・君が代強制阻止訴訟」に携わってきた。今はまだ、憲法・教育基本法を武器に、実務法律家が法廷で闘うことができる。しかし、改憲・教育基本法「改正」が現実化した際には、その武器を失うことになる。不再戦のシステムとしての日本国憲法を根底から覆し、「戦争を政策の選択肢として認める国家」システムへの変質である。

▽ だから今、弁護士の中にも危機感が横溢している。多くの弁護士が、憲法「改正」に危機感を募らせている。
  そのための運動が各地で行われている。弁護士会としてのイベントも多彩である。
  とりわけ、「9条」を焦点に日本国憲法にエールを送る企画が多い。その典型が、「9条がんばれ!弁護士と市民がつどう『第9』コンサート(9月26日午後7時開演・文京シビックホール )」である。私も実行委員の一人として関わっており、この場を借りて紹介させていただく。

▽ この企画の呼びかけ人として名を連ねておられるのは、鬼追明夫・北山六郎・小堀樹・土屋公献・本林徹の日本弁護士連合会元会長と、16名の在京3会(東京・第一東京・第二東京の各単位弁護士)の元会長。これだけでも壮観である。
 「平和こそは、人みなの願い。
  平和こそは、けっして捨ててはならない人類の理想。
  その理想を高く掲げる日本国憲法9条に、「がんばれ!」の声援を送ります。
  ベートーヴェンの「第9」が歌うのは、苦難を克服して到達する歓喜。
  試練を乗り越えて到達する平和に思いをはせつつ、
  すばらしい演奏と合唱のひとときを‥」
  というのが、この企画のコンセプト。


コンサートポスター
▽ 過日の記者会見においては、指揮者である外山雄三さんがベートーベンの「第9」作曲に込められた理想を雄弁に語られ、「平和を願うコンサートに『第9』はまことにふさわしい」と述べておられる。
  また、コンサートのレベルの高さを強調して、「私は、自分の選んだ納得のできる演奏者でなくてはタクトを振らない。合唱参加の弁護士さんには最低20回の練習に参加していただきたい」と、檄を飛ばされてもいる。
  「第9」は、合唱のメッセージ性もさることながら、合唱という形で多くの人がイベントに参加できるところがすばらしい。200人の合唱団のうち約40人が弁護士。その多くは学生時代のコーラス経験者だが、毎週火曜の夜に特訓を受けている。

▽ コンサートのプログラムは以下のとおり。
    西村 朗:「平和の誓いへのファンファーレ」
         指揮/池辺晋一郎
    スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より“モルダウ”
    カルザス:「鳥の歌」
    エルガー:愛のあいさつ
        指揮/外山雄三 チェロ/苅田雅治
    朗読「茶色の朝」より
      (フランク・パヴロフ作、藤本一勇訳/大月書店刊)
       朗読/日色ともゑ ピアノ/池辺晋一郎
    ジョン・レノン/井上鑑編曲:イマジン 6人のチェロ奏者による
        苅田雅治、菊地知也(日本フィルソロ・チェロ)と
        日本フィルチェロセクション
    ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱」より 第4楽章
        指揮/外山雄三
        管弦楽/日本フィルハーモニー交響楽団
   チケット:S席/5000円 A席/4000円 B席/3000円

▽ 実行委員会事務局(田場)は下記のとおり。 
       電 話:03−3991−6660
       FAX:03−3991−9623
       E−mail:dai9kenpou9jou@yahoo.co.jp
       ホームページ http://www.9jou-con.com/

 この企画の目的は、弁護士会の内外に、「9条がんばれ!」という大きな風を吹き起こすこと。この風を絶やさず、さらに大きなものとするために力を尽くしたい。

◆澤藤統一郎(さわふじとういちろう)のプロフィール

弁護士。平和訴訟や政教分離訴訟、日の丸・君が代強制阻止訴訟などに携わる。
日本民主法律家協会副理事長。
2005 年9月より、Web サイトで「澤藤統一郎の憲法日記」を書き続けている。
著書として『岩手靖国違憲訴訟』(新日本出版社)、『たのしくわかる日本国憲法〈2〉国民主権と民主主義』(岩崎書店)などがある。

 


 
[今週の一言][憲法情報Now][中高生のための憲法教室][憲法文献データベース][事務局からのお知らせ]
[トップページ]