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憲法9条の考え方を世界に広げたい

2006年5月15日

松村真澄さん(GPPAC JAPAN事務局)
―――まず、「GPPAC(ジーパック)って何?」というところから説明していただけますか。
(松村さん)
GPPAC(ジーパック)は「GLOBAL PARTNERSHIP FOR THE PREVENTION OF ARMED CONFLICT」=「武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ」の頭文字をとったもの。2001年、コフィ・アナン国連事務総長の呼びかけに応えて始まった、武力紛争のための市民ネットワーキングプロジェクトです。昨年、世界の15地域で武力紛争予防のための地域提言がまとめられ、国連本部で開催された世界会議では地域提言を総括した「世界行動提言」が採択されました。今後、その提言を具体的に実行・実現していくことを目標としています。

―――日本が属する東北アジア地域では3月に北朝鮮の金剛山などで会議を開催されましたよね。その内容を教えてください。
(松村さん)

金剛山にて
まず、昨年2月、東京にてGPPAC東北アジア地域会議が行われ、地域の非核化・非軍事化や憲法9条などについて盛り込んだ「地域行動宣言」が採択されました。今回は、平和的統一が望まれる北朝鮮・韓国の境に位置する金剛山(北朝鮮)で議論・アクティビティを行い、その後会場をソウル(韓国)に移しGPPAC東北アジア共同声明と2006年〜2010年行動計画(PDF)を採択しました。会議には上海・北京・台湾・ウラジオストック・ウランバートル・ソウル・東京・名古屋・ダバオから約40人の代表が参加し、諸地域の現状・展望についての意見交換がなされるとともに、ハイキングや歌の交換などの交流も行われました。
北朝鮮からの参加は、交渉を重ねながらも実現はされませんでした。しかしながら停戦ラインを越えた韓国代表と現地の北朝鮮市民の心がかよい合う姿に感動を覚えました。次回の地域会議では、彼らの参加が実現できるよう、進めていけたらと思っています。

―――日本における改憲の動きには各国の市民が警戒していて、9条についての世界会議を開催することも討議したそうですね。
(松村さん)

会議風景
はい。憲法の9条を変え、日本が戦争をできる国になることを東北アジアの人々は懸念しています。私たちは武力紛争予防のためには具体的な提言・とりくみが重要であると考え、9条を守るではなく、その考え方を他の国にも広げていくことを提案し、賛同も得ています。
アジアの人たちは、9条の「改正」が一つの脅威になると言います。アフリカの人たちは、武力なしで成功してきた日本というモデルをなくさないで欲しいと言います。こういった海外からの声を国内に反映させることによって、その重要性を再認識できることも望んでいます。

―――他にもいろいろな行動計画があるようですね。
(松村さん)
憲法9条に関しては、6月にカナダ・バンクーバーで世界平和フォーラムにて、バンクーバー9条の会と協力し、シンポジウムやワークショップを企画しています。また、9月21日の国連平和デーには、昨年の8月15日と同様、各国新聞に9条支持の意見広告を掲載したいと考えています。
GPPAC東北アジアでは、東アジア各国のNGOがネット上で情報交換する「オンラインフォーラム」を準備しています。

―――松村さんがこのとりくみに関わるように経緯と思いをお聞かせいただけますか。
(松村さん)

歌を歌う韓国代表
3年前に滞在したグアテマラでの出来事が一つのきっかけでした。当時グアテマラでは、内戦の被害者がその戦後補償を求めて政府に要求する運動が盛んでした。私がその人たちを接し、話している中で、「私たちも大変な思いをしているけれど、日本にもいろいろな問題があるのではないか?」と問われました。その言葉がすごく印象に残り、日本での憲法9条を変える動きなどについて自分が無知であることに気づき、とても重大なことだと認識するようになりました。その後ピースボート内でこのプロジェクトに参加するようになりました。私は、韓国にいる親友をはじめ、諸外国の人たちと交流する機会に恵まれています。その仲間や彼らが愛する人たちが暮らす地で、武力紛争が起こるのは、あまりにも悲しいと思うのです。

―――9条の考え方を世界に広げることはいよいよ大事なことなので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。ところで、いま憲法「改定」の動きがありますが、松村さんは日本国憲法についてどのように考えておられますか。
(松村さん)
伊藤真さんの『高校生からわかる 日本国憲法の論点』でも取り上げられているように、「法律と憲法は方向性が180度反対」、国民が守らなければならない「法律」と違って、「憲法」は権力を持っている人たちが守るものです。憲法について自由に主張・議論できるのは私たち国民ということを踏まえて、今取り組んでいる活動を深めて行きたいと考えます。

―――GPPACの活動には大いに期待しています。今後とも連携させていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

◆松村真澄(まつむら・ますみ)さんのプロフィール

ピースボートスタッフ。GPPACグローバル9条キャンペーン事務局担当。
群馬県出身。学生時代はバレー部に所属、大の運動好き。
スペインにて美術史を学ぶ。趣味は美術・映画鑑賞、能、山登り、水泳。
ピースボートの仲間には「まっすん」と呼ばれている。


 
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