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「憲法ってなんだっけ?」 - 憲法フェスティバル20回目の問い直し!

2006年5月1日

弁護士 森川 文人さん
1「ビラ配り」の自由

皆さん、ビラ配りってしたことありますか。バイトで飲食店のチラシとかは配ったことあるかも?商業用ではない、例えば自分たちで考えた催しやグループを広めるためのビラ配りはどうでしょうか。
 今、やってみるといろいろ憲法や「表現」ということを実践的に学ぶ機会になります。憲法21条1項は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と力強く規定されていますが、ビラ配りは、個人が行う最もミニマムな表現行為の一つですから。
 現実には、まず、恥ずかしい(笑)。いざ始めると道行く人は無関心で、なかなか受け取ってもらえない、特に寒い日、雨の日。メディアとは全く違います。「日の丸・君が代」強制反対のビラなど配っていると、校外なのに学校長に文句を言われる、公安警察の見張りがつく。ちょっと敷地に入ったり、郵便受けにポスティングしにいくと、住居侵入罪!ということで逮捕されたりもする。さらに、今、法案化されようとしている憲法改正国民投票法では、公務員、教員、外国人らは、そもそも「国民投票運動」にくくられる表現行為は罰則付で禁止しようとしています。

 あれ?憲法ってなんだっけ?憲法って、確か国の最高法規で、私たち国民・市民の味方で、政府・権力を制限・拘束する、っていうモノじゃなかたっけ?どうしてこんな、たかだがビラ配りでも規制されちゃうの? そう思いませんか。
ここ10年思い返しても、周辺事態法、国旗国歌法、盗聴法、武力攻撃事態法、国民保護法など有事立法、テロ特措法、などなど実質的に憲法の規定する9条の平和主義等を無力化し、ないがしろにする法律がどんどん作られています。さらには、現在も上記の国民投票法や、共謀罪など、あらゆる方法で、「ビラを配るような人たち」を締め上げようとしています。

2 今年の憲法フェスティバル

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5月13日(土)午後12時30分〜     
九段会館ホール
前売 2200円  当日 2700円
出演 森永卓郎   永六輔   神田香織   佐藤光政
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 私たち、憲法フェスティバル実行委員会は、弁護士を含む様々な職業、または無職のフツーの人たちで構成されていますが、テレビコマーシャルや、新聞広告を自前で載せる財力はないので、ホームページで呼びかけたり、もしくは、自分たちの催しのビラを作り、その「ビラを配るような人たち」です。これって、別に特別なことじゃないですよね?!
 今年でなんと20回目になりますが、今回もとっても面白い企画になりました。
 皆さん、ご存知の永六輔さんの講演。歌手の佐藤光政さんの歌。さらに、講談師の神田香織さんには、日本雑学大賞受賞された「講談 はだしのゲン」の新版を演じていただきます。そして、テレビでラジオでも経済アナリストとしておなじみの森永卓郎さん。森永さんは憲法9条については「世界で最も美しく、強い覚悟を持った平和主義」と指摘され、また、現在の改憲状況に対しても「時間が経ったからといって、変えなければいけないという理屈はどこにもない。」とのご指摘もされています。
多忙で多彩な出演者による、憲法を巡るフェスティバル。当初から「憲法への招待」というコンセプトで始められました。今年の出演者を見ても、楽しそうで、かつ、ためになる、わかりやすい憲法集会である、と自負しています。

3 憲法ってなんだっけ?の意味

 今年のテーマを『憲法ってなんだっけ?』にしたのは、第一に、この「憲法への招待」、すなわち、多くの皆さん、忙しい日々を送っている皆さんに、憲法という発想自体に親しむきっかけを作ってもらう、という憲法フェスティバルの原点の発想に立ち返ろう、というのが一つあります。
 第二点として、現在の憲法改正を巡る状況への意義の突き付け!です。皆さんは、自民党・民主党の改憲案や改憲のコンセプトを読んでますか。自民党などは「新憲法草案」などと、改憲どころではなく、新しいモノということを打ち出していますが、ある意味、確かに憲法改正の限界を超える、いわばクーデターといえるとんでもない内容です。権力保持者が提案するんですから、憲法という権力に対する縛りを緩めよう、という内容になるのは当然ですが、かつての日本のように、「私・個人」を超えた滅私奉公的なコンセプトが散りばめられた「権力抑制装置」としての憲法を踏みにじった案になっています。これに対して、おいおい憲法って何だっけ?そういうもんじゃないだろ、勝手なことをするなよ、という強い異議の提起です。
憲法フェスティバルは、まさに憲法21条の保障する「集会」です。憲法で保障されています。それでももし、国民投票法案が通れば、これまで憲法フェスティバルに出演していただいた、姜尚中さん、朴慶南さん、ベアテ・シロタ・ゴードンさんらには出演をお願いできなくなるかもしれません。こんなこと、憲法が本来、許す事態ではありません。
 私たち実行委員の想いは、今の憲法が保障する自由を最大限に活かして、自由な発言、自由な表現行為等を通じて、憲法という発想を多くの皆さんのものにしてほしい、これにつきます。その中から、自由を行使して、自分たちでも表現しよう、なんか小さな集まりでもやってもよう、ビラでも配ってみようという人が出てくればそれはそれでいいし、そうではなくても、今の憲法ってほんとに問題があるのか、現実の方が問題ないか、などということを考えてみてほしいと思っています。

 どうか、皆さん、友人・知人を誘って今年の憲法フェスティバルに参加してください。今、憲法の名のつく「集会」に参加すること、集まること、それ自体、意思表示、表現の自由の行使です。そのうえ、憲法フェスティバルは中身が面白い! 絶対に来て、損はありません。どうか、皆さんのご参加をお待ちしております。

◆森川文人(もりかわ ふみと)さんのプロフィール

弁護士。第二東京弁護士会16年度副会長。
憲法フェスティバル実行委員会の委員長を長く務める。
ホームレス総合相談ネットワークの代表も務める。横浜事件第3次請求弁護団にも参加。


 
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