法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です

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憲法の理念を五感にうったえていきたい

2006年4月10日


ハープ(武田彩さん、原田史子さん、桑本さん)

■日常生活で考えたこと

武田 ハープは、2005年2月に設立されたNPO法人です。現在、賛助会員は50名を数えます。戦後60年という節目の年に、人権尊重や平和といった憲法の理念を「自分たちのできるやり方で広めていく」という考えに膝を打って、私はぜひ関わりたいと思いました。まず、参加のきっかけを教えて下さい。
原田 私は、イギリスでデザインの勉強をしていました。3年間いましたが、そのあいだにテロ事件があり、日常生活の平穏、平和に生きる権利というものがどういうものなのか、考えなくてはならない場面がありました。2005年の9月に帰国したのですが、自分なりに、そういったことを考え続けたいと思ったのです。
武田 実際に参加してもらう前に、「外国から日本を見る」というシリーズで文章を寄せてもらいましたね。
原田 1回目は、ちょうどロンドンにいたときに遭ったテロの話。2回目は、イギリスの歴史教育についてです。歴史教育という視点から見ていくと、その国の体制やら、平和に対する考え方や、国民性なんかも見えてきて、面白いんですよね。
 他には、やはりデモやストライキなどが印象に残っています。自分たちの政府が戦争に行く行かない、という重大な問題がありましたし、それぞれの個人の日常のなかに、自分の権利を主張するということがあるのを感じました。日本ではしにくいですよね。そんなことするものではない、みたいな雰囲気もありますし。国民性・文化の違いといったことを身近に感じました。
武田 私はフランスに留学経験があるのですが、カフェなどで、いわゆる市井の人々が、国の政策についての要望やら不満やら、気軽に話していたのを思い出します。
原田 それは、サラリーマンが飲み屋で管を巻いているのとは違うの? 小泉の野郎がチクショ?みたいな。
武田 あ、そういうのもあった(笑)。ひとつ違うのは、日本では同じような属性を持つ人の間でやるということでしょうね。内向きです。また、違う立場の人とそういう話をするとなると、構えてしまう。雑談にならないのではないかと思う。自分はスクランブルエッグよりもオムレツの方が好きなんだと言うノリで、あなたはどうなの? と広がりを持たない。
原田 アートスクールに通っていたのですが、アーティストや学生が、自分たちの活動やつくっていくもの・作品が、何かしら社会にあるメッセージを与える、それをふまえた形で活動している、というのがよく分かりました。表現するにあたって、社会をはっきりと意識している。
武田 学生の桑本さんは、いかがですか。
桑本 私は昨年、3年になるときですが、ハープの理事である水島先生の誘いで、立ち上げ記念イベントの司会をやらせてもらい、それが参加のきっかけです。
大学で水島先生の憲法ゼミに所属していまして、結構いろんなテーマ、時事・社会問題を扱いますから、そういった問題について人と話す機会は多いです。判例研究を中心に扱うわけではないので、それって憲法ゼミ?と突っ込まれることもあるのですが(笑)、でもそうではなくて、どんな社会の問題を扱っても、やはり人の権利の問題が関わっているんですよね。そういうふうに考えていくことが大切だと思います。平和の問題でも、人権でも、身近なところから出発して考えていくということです。
武田 やはり憲法というのはその国の土台ですし、そこで生きている人間の生活に関わることですよね。人が生きていくとき、日常の問題は本当に切実です。

■2005年にハープで行ったこと

武田 身近なところから、あまり構えずに、人権や平和についての意識を高めることが何かできないかな、と考えてブックマークを作りました。
桑本 800個以上も売れたそうですね。
武田 ここに書いた「テレビを消して本を開こう」という言葉ですが、これは私の友人が考えたもの。非常に面白いなと思って入れました。
「テレビ」は大きな声で繰り返し言われていることの象徴だと思うんです。その声を、そのまま聞き続けて、信じ続けていいのか。もちろん見ても、聞いてもいいけれど、絶対ではありません。そういう情報もある、でも私は自分で別のものにもアクセスできる、自分で考えることができる、そういった別の価値観や知性を模索できるものとして、本があるんです。その本をひもとくときに、9条の理念に導かれながら、というのはとてもいいなあ、と。
原田 カンパとしてだけではなくて、「いいものだ」と思って買って欲しいですよね。このたび、新グッズとして、1周年記念にあわせてポストカードを作りましたが、それもやはりカードとして美しいもの、手にとってもらいたいと思って描きました。

■「ま〜るい世界の料理教室」

桑本 グッズをどうせ作るなら、使えるものがいいし、かわいいものがいいし、身近なものがいい。人権や平和を、言葉にすると堅苦しいですが、実は生活になじんでいるもので、だから大切なんだ、と思います。日々それを感じながら生活したい、というのが、私がハープで今後も活動したいなと思う理由なんです。
大きな講演会などに、話を聞きに来てくれる人もたくさんいてほしい、でも料理教室は、より遠くに居る人たちを振り向かせたい企画です。実は食べ物のなかには、身近だからこそ、風土や文化が歴史がいっぱいつまっています。その国の人と、その国の料理を一緒に作って一緒に食べるということは、とても面白くて意味があることなのではないかと思います。
武田 1回目の料理教室は「ジャパコレ」。クイズが印象的でした。あれは面白かったですね。
桑本 韓国人の女性ふたりが協力してくれて、ビビンバを作りました。クイズというのは、マナーの違いとか、食事にまつわる文化の違いをクイズ形式にして出したのです。お酒のつぎ方とか、ご飯の食べ方とか。韓国では、茶碗を手に持たないそうなんです。クイズのネタを、はじめは、インターネットで探したんですよ。でも、韓国人の方と話をしていると、どんどん自然に出てきました。
●料理教室のレシピ●

■「おとなの社会科見学」

武田 これは4回開催しました。このツアーは、さまざまな「現場」を訪れて、時代背景の解説やその場の声を聞き、それぞれが思い思いのやり方で、何かひとつ「おみやげ」を持って帰れればいい、と始めました。
桑本 1回目の牛久に参加しました。部落問題、正直テーマが重いなと思ったんです。でも、社会科見学は純粋に楽しかった。久々の感覚でした。社会科見学の良いところは、「おみやげ」が人それぞれでいいところだと思います。だからこそ、自分で感じ・考える感覚が研ぎ澄まされます。聞いて、空気を吸って、全身で理解する感じですね。参加者みんなでまったりとしたり。また、肩の力を抜いて参加できるからこそ、日常と対比されて、部落問題の深刻さが現実的に実感されました。
武田 原田さんは、松代大本営に行ったとき、持ち前の画力でレポートを書いてくれましたね。
原田 実は私の祖父は、従軍医だったのです。当時の話はよく聞かされていました。東南アジアを点々とし、特にインドネシアが長かったらしいです。祖父は前線にいるわけではありませんが、やはり相当のことがあったようです。ですが逆に、私は東京に生まれましたが、当時日本国内で「後方支援」していた人々のことについては、「その場に行ってふれる」という機会はなかなかありませんでした。
松代大本営を見学して、地方から連れて来られて労働力となった外国の人々と松代に住んでいた地元の人たちの葛藤、両方の立場を知ることが出来たことはとても感慨深いです。
現場はリアルです。実際に自分の目で見ることの凄さですね。帰ったあと、自分の言葉で人に語れるというのも凄いことです。それも社会科見学の醍醐味かもしれません。
武田 五感にうったえる憲法の理念、全身で掴む人権感覚。ハープ2年目の活動はこれでいきましょうか。



◆1周年記念祭り「9条てんこ盛り」のご案内

4月23日(日)に開催する1周年記念祭り「9条てんこ盛り」では、9条について、さまざまな切り口から紹介し、考える機会にしたいと思います。ぜひお誘い合わせのうえ、ご参加下さい!前売りチケットもございます。

■ 日時・場所 ■
4月23日(日)13時?18時(お店・展示は?19時)
東京・大塚「ラパスホール」
JR山手線:大塚駅 徒歩5分、東京メトロ丸の内線:新大塚駅 徒歩7分
地図

■ 内容 ■
1 映像「9(NINE)?憲法9条は訴える」(43分)上映
公式サイト
2 松元ヒロさんのソロ・ライブ
3 憲法講演(早大教授・HuRP理事・水島朝穂氏

■ 出展・展示 ■
9条グッズ・書籍販売コーナーを設け、舞台使用時を除いてずっと楽しめます。

■ 参加費 ■ 1000円(学生は500円)

■ 主催 ■ NPO法人「人権・平和国際情報センター」(HuRP)


 
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