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今週の一言

 

市民が「九条実現」を意思表示

2006年3月27日


井上澄夫さん(市民意見広告運動事務局))

―――井上さんは新聞に改憲反対の意見広告を出す市民運動をすすめておられます。その運動の内容と趣旨をお聞かせください。
(井上さん)
いま、9条改憲反対の声は広く潜在しています。私たちはデモや集会などでも意思表示をしていきますが、そのような場に参加できる条件がない人でも参加できるとりくみも必要だと考えました。今日マスメディアは右傾化し、戦争や改憲に反対する声やとりくみをあまり報道しません。それならば、私たち市民が新聞に意見広告を出して世論に訴えようと考えたんです。
市民が資金を出し合い、名前を連ねて意見広告を新聞に掲載するとりくみは、かつてベトナム反戦運動でも行われました。私たちは自衛隊のイラク派兵と9条改憲に反対して、2003年から連続的にとりくんできました。いま、今年の5月3日に出す意見広告の運動を成功させようと、全力で活動しています。

―――毎年とりくみをすすめておられ、市民の反応はいかがでしょうか。
(井上さん)
毎年賛同者が増え、さまざまな領域に新たな賛同者が広がってきています。賛同者を広げるために周りの方々に賛同を呼びかけてくださる方が全国各地にいらっしゃり、頑張っておられます。最近では、地方で、地元の市民が地元の新聞に意見広告を出すとりくみが増えています。あるいは、新聞に折り込みチラシを入れるとりくみもすすめられています。
いま、本当に多くの人々が9条改憲反対の気持ちを持っています。昨年5月3日の意見広告は「九条実現」と大書し、そして「九条実現」と書いたバッジやシールを作ったんですが、注文が殺到しました。「九条実現、 これだっ!」という反応が爆発的に寄せられ、以降多くの人たちが私たちの運動にボランティアで協力してくれています。

―――「九条実現」というアピールに込めた想いをお聞かせいただけますか。
(井上さん)
いま「9条を守ろう」という声が広がっていますが、9条の意味をきちんと理解し、その実現をめざすことが重要だと思うんです。戦争経験者が減っていく中で、若手の国会議員が戦争を知らずに改憲を叫ぶようになっています。ですから、9条の意味を市民が自分の頭で考え、広げていく必要があるんです。
9条は、アジア・太平洋戦争終結の直後、それまでの侵略戦争と植民地支配を深く反省して、日本は二度と戦争をしないと誓った国際公約であり、平和立国の原理です。憲法には日本政府が守らなければならない責務が書かれており、9条は政府が実現しなければならないんです。ところが、政府は9条を実現しないどころか、9条を踏みにじる政策をすすめています。政府がやらないのであれば、市民が政府に要求して実現させるしかありません。9条は守るものというより、実現すべきものなんです。私たちは改憲の動きに対して、守勢にまわるのではなく、攻勢的に反改憲の活動を発展させる必要があるんです。
9条は明確に「非武装・不戦」を謳っています。「日本が攻められたらどうする?」「武力は必要であり、9条は改正すべき」という社会の雰囲気がありますが、市民のこうした疑問や意見に対してもはっきり自分の意見を言い、《非武装・不戦の9条実現》を主張する市民が増えていくことが決定的に重要なんです。
次の世代に9条の意味を語り継いでいくためにはいろいろな工夫が必要でしょう。意見広告運動はそのための一つの有力な市民の活動としてすすめていきたいと思っています。

―――いろいろな問題提起をいただきました。今後も語り合っていきたいと思います。本日はありがとうございました。

◆井上澄夫(いのうえ すみお)さんのプロフィール

市民意見広告運動事務局。フリージャーナリスト。元べ平連(ベトナムに平和を!市民連合)。
著書に『歩きつづけるという流儀 反戦・反侵略の思想』(晶文社 、1982)、『いま語る沖縄の思い』(編著、技術と人間 、1996年)などがある。


 
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