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シネマde憲法
第9回死刑映画週間「倒錯した『真理』と死刑制度」(東京・渋谷)のご案内
 花崎哲さん(憲法を考える映画の会)

  2012年から始まって、今年で9回目になる「死刑映画週間」の上映作品を紹介させていただきます。
 毎年2月、「死刑」をテーマにした映画を、毎年8〜10本選んで1週間上映します。ドキュメンタリー映画や劇映画の別、あるいは国内外、最近の作品から古い作品までと、文字通りジャンル、表現方法、年代にこだわらず「死刑について考える」映画を選び続け、その数も8年間で75作品になろうとしています。
 ともすれば法律の問題として言葉や文字だけで語られがちで、密閉された中にある「死刑」の問題を、映像という誰にも想像できるイメージを通して、考えて行く機会を私たちに与えてくれます。それも特定の事件やその当事者の問題としてではなく、社会全体の、それも私たちひとりひとりにかかわる問題として「死刑」の問題が問いかけられてきます。映画の上映の後、それぞれの作品の監督や関わりのある人を招いてのトークも1回目から続けられてきました。その企画、プログラミングの努力と熱意に敬服し、感謝します。
 私たちとしては、これまで、あるいはこれからも上映される「死刑」についての映画を、どれも自分たちの手でも上映して、「死刑」について考える機会を作り、拡げることができる映画として捉えたいと思います。

第9回死刑映画週間 倒錯した「真理」と死刑制度
と き:2020年2月15日(土)~2月21日(金)
ところ:ユーロスペース・東京都渋谷区円山町1-5(渋谷・文化村前交差点左折)
主 催:死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
協 力:東海テレビ/太秦/松竹/ムヴィオラ/GAGA/アンスティチュ・フランセ日本/キノフィルムズ/東風

「真理省」の壁に「戦争は平和、自由は隷従、無知は力」なるスローガンが掛かる或る国の(架空の)物語を書いたのはジョージ・オーウェルだった。
「こんな馬鹿なことが起こるわけはない。フィクションだから可能な世界だ」――該当する時代を知らない人は、そう考えがちだ。
だが、私たちがいま住む社会ではこのスローガンが(真理)として通用していないか。
死刑についてはどんな「真理」が語られているだろう?
「人を殺したからには死刑は当然」「国家が死刑の権限を持つのは当然」――ここに集う8本の映画を観て、私たちは別な「真理」を掴み取ることができるだろうか。
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【上映作品(監督 制作年)×語る人(1回限り)】
『金子文子と朴烈(パク・ヨル)』(イ・ジュンイク 2017)×石川優実
『友罪』(瀬々敬久 2018)×瀬々敬久
『デビルズ・ノット』(アトム・エゴヤン 2013)×柳下毅一郎
『フォンターナ広場』(マルコ・トュリオ・ジョルダーナ 2012)×小倉利丸
『眠る村』(齊藤潤一・鎌田麗香 2018)×齊藤潤一
『39 刑法第三十九条』(森田芳光 1999)×香山リカ
『抵抗 死刑囚の手記より』(ロベール・プレッソン 1956)×太田昌国
『霧の旗』(山田洋次 1965)

【入場料金】
一般1,500円/大学・専門学校生1,300円/シニア1,100円/会員1,100円/高校生800円
前売券:5回券4,500円/3回券2,800円/1回券1,000円
ユーロスペース劇場HPでは3日前から各回開始1時間前まで座席指定券が購入できます(各種クレジットカードのみ、詳しくはユーロスペース劇場HPを確認ください)。
前売券は3日前より劇場窓口にて座席指定券とお引き換えできます。
案内
チラシ・表
チラシ・裏

【上映スケジュール】
2月15日(土)
 11:00 『眠る村』
 13:30 『金子文子と朴烈』
 上映終了後トーク:石川優実(モデル)
 16:30 『抵抗 死刑囚の手記より』
 19:00 『霧の旗』

2月16日(日)
 11:00 『フォンターナ広場』
 13:30 『友罪』
 上映終了後トーク:瀬々敬久(映画監督)
 16:30 『デビルズ・ノット』
 19:00 『39 刑法第三十九条』

2月17日(月)
 11:00 『金子文子と朴烈』
 13:30 『霧の旗』
 16:00 『友罪』
 19:00 『デビルズ・ノット』
 上映終了後トーク:柳下毅一郎(映画評論家)

2月18日(火)
 11:00 『39 刑法第三十九条』
 13:30 『眠る村』
 16:00 『金子文子と朴烈』
 19:00 『フォンターナ広場』
 上映終了後トーク:小倉利丸(批評家)

2月19日(水)
 11:00 『霧の旗』
 13:30 『友罪』
 16:00 『39 刑法第三十九条』
 19:00 『眠る村』
 上映終了後トーク:齊藤潤一(テレビ・ディレクター)

2月20日(木)
 11:00 『デビルズ・ノット』
 13:30 『フォンターナ広場』
 16:00 『霧の旗』
 19:00 『39 刑法第三十九条』
 上映終了後トーク:香山リカ(精神科医)

2月21日(金)
 11:00 『友罪』
 13:30 『眠る村』
 16:00 『金子文子と朴烈』
 19:00 『抵抗 死刑囚の手記より』
 上映終了後トーク:太田昌国(評論家)

【上映作品の紹介】
『眠る村』
監督=齊藤潤一・鎌田麗香
2018年/日本/96分/デジタル
プロデューサー=阿武野勝彦
ナレーション=仲代達矢
 東海テレビドキュメンタリー劇場公開作品。
 1961年に三重県と奈良県の県境にある村、葛尾で5人の村人が死亡した事件、いわゆる「名張毒ぶどう酒事件」を57年後の現在から描いたドキュメンタリー作品。
 一審無罪から逆転死刑判決を受けた戦後唯一のこの事件は、今もなお謎だらけである。
 決定的な証拠はなし、自白の信憑性、二転三転する証言、かたくなに再審を阻む司法のあり方等。
 事件発生時から東海テレビが撮りためてきた貴重な映像と、現在の村人の証言からは、新たな謎が浮かび上がってくるのだ。
【上映日時】
2月15日(土)11:00 
2月18日(火)13:30
2月19日(水)19:00
2月21日(金)13:30
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『金子文子と朴烈(パク・ヨル)』
監督=イ・ジュンイク
2017年/韓国/128分/DCP
出演=イ・ジェフン(朴烈役)
   チェ・ヒソ(金子文子役)
 1923年、東京。
 有楽町のおでん屋で働く金子文子は、朝鮮人アナキスト朴烈の詩「犬ころ」に共鳴。
 ふたりは同志であるとともに、恋人としても生き始める。
 「不逞社」を結成し仲間たちと活動を始める。
 しかし、その年9月1日に起きた関東大震災によって、ふたりの運命は大きく揺れ動いていくことになる。
 日本政府は、震災による人々の不安を抑えるためと称して、朝鮮人を虐殺し、社会主義者も弾圧する。
 金子文子と朴烈も拘束されるが、彼らは社会を変えようと、獄中で戦い始める。
 ふたりの闘いは、日本国家を根底から揺るがすような裁判へと向かっていく。
【上映日時】
2月15日(土)13:30
2月17日(月)11:00
2月18日(火)16:00
2月21日(金)16:00
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『抵抗 死刑囚の手記より』
監督・脚本=ロベール・ブレッソン
1956年/フランス/97分/DCP
原案=アンリ・ドヴィニ
出演=フランソワ・ルテリエ(フォンテーヌ中尉役)
 フランスのアンリ・ドヴィニ大佐による手記をもとにした作品。
 1943年、ドイツ占領下のフランスのリヨンで、フォンテーヌ中尉はドイツ軍に連行される。
 彼は移送中に車からの脱走を試みるが失敗し、手錠を付けたままモンリュック監獄の独房に入ることになる。
 やがてフォンテーヌは自室の小さな窓を使い、中庭を散歩する囚人の一人に外部との連絡をとってもらい…。
 監督のブレッソンは職業俳優をきらい、素人たちの演技を独特の映像表現で捉え、フォンテーヌ中尉の脱獄過程を描いていく。
【上映日時】
2月15日(土)16:30
2月21日(金)19:00
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『霧の旗』
監督=山田洋次
1965年/日本/111分/35㎜フィルム
原作=松本清張
脚本=橋本忍
出演=倍賞千恵子(桐子役)
   滝沢 修(弁護士・大塚役)
   露口 茂(正夫役)
 桐子は、熊本の老婆殺しの犯人として逮捕された兄正夫の無実を信じ、東京の高名な弁護士である大塚を訪ねた。
 正夫の弁護を依頼するのだが、すげなく断られてしまう。
 大塚弁護士は事件に疑問を持ち調査をすると、事件の核心をつかむ。
 数日後、桐子からの手紙で、兄が死刑になったことを知る。
 大塚は引き受けなかったことを悔やむが…。
 兄の死後に上京した桐子は、バー勤めを始める。
 客である男から大塚弁護士が事件の核心を握ったらしいことを知る。
 桐子は大塚弁護士に近づいていくのだ。
【上映日時】
2月15日(土)19:00
2月17日(月)13:30
2月19日(水)11:00
2月20日(木)16:00
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『フォンターナ広場』
監督・脚本=マルコ・トュリオ・ジョルダーナ
2012年/イタリア、フランス/129分/DCP
出演=ヴィレリオ・マスタンドレア(カラブレージ警視役)
   ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(鉄道員ピネッリ役)
   ミケーラ・チェスコン(ピネッリの妻役)
 1969年12月12日16時37分。
 イタリアのミラノ、フォンターナ広場にある全国農業銀行が爆破された。
 死者17人、負傷者88人。
 ミラノ署は左翼の犯行を疑い、アナキストを次々と連行していった。
 彼らのリーダー的存在である鉄道員ピネッリも容疑者とされた。
 だが、現場の捜査指揮をとるカラブレージ警視は、ピネッリの人間性を知り、その犯行を簡単には信じられなかった。
 そんな時に、ピネッリが取調べ中に転落死してしまう。
 自殺か、事故死か、殺人か。
 ピネッリの妻は夫の無実を信じ警察を訴える。
 カラブレージ警視は裁判で矢面に立たされ、真実が徐々に明かされていくのだが。
【上映日時】
2月16日(日)11:00
2月18日(火)19:00
2月20日(木)13:30
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『友罪』
監督・脚本=瀬々敬久
2018年/日本/129分/DCP
原作=薬丸 岳
出演=生田斗真(元ジャーナリスト益田役)
   瑛 太(鈴木役)
 町工場で働き始めた元ジャーナリスト益田と、他人との交流を頑なに拒む鈴木。
 共通点のまったくなかったふたりが、町工場の同じ寮で暮らし始め、少しずつ友情を育てていく。
 しかしそんな中、彼らが住む町の近くで児童殺人事件が起こる。
 SNSで17年前に日本中を震撼させた事件との類似性が指摘される。
 当時14歳だった少年はすでに出所していて、今度も彼の犯行ではないのか、とネットでは拡散されていく。
 益田はその少年Aの写真を見て愕然とする、これは鈴木ではないか…。
【上映日時】
2月16日(日)13:30
2月17日(月)16:00
2月19日(水)13:30
2月21日(金)11:00
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『デビルズ・ノット』
監督=アトム・エゴヤン
2013年/米/114分/DCP
出演=コリン・ファース(私立探偵のラックス役)
 1993年、アメリカのアーカンソー州で実際に起きた未解決事件を描いた作品。
 少年3人が逮捕されたこの事件は、米史上最悪の冤罪事件とも言われ、「ウエスト・メンフィス3事件」と呼ばれている。
 93年の初夏、米アーカンソー州ウエスト・メンフィスで3人の児童が無残に殺される猟奇殺人事件が起こった。
 事件当日の不審者目撃情報が入るが、小さな田舎町は押し寄せたメディアでパニック状態になってしまう。
 警察によって少年3人が逮捕される。
 しかしこの逮捕に不自然さを感じた私立探偵のラックスが、弁護士とともに調査を始める。
【上映日時】
2月16日(日)16:30
2月17日(月)19:00
2月20日(木)11:00
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『39 刑法第三十九条』
監督=森田芳光
1999年/日本/133分/35㎜フィルム
出演=鈴木京香(藤代の助手・小川香深役)
   堤 真一(劇団員・柴田役)
   樹木希林(国選弁護人・長村役)
   江守 徹(検察・草間役)
   杉浦直樹(精神科教授・藤代役)
 刑法39条には、心神喪失者の行為は罰しない、心神耗弱者の行為はその刑を減ずる、とある。
 若い夫婦を殺害したとして劇団員の柴田が逮捕される。
 国選弁護人となった長村は法廷でおかしな言動をする柴田の精神鑑定を要求する。
 精神鑑定人となった精神科教授の藤代は、彼は解離性同一性障害(多重人格)で、犯行時は解離状態で心身喪失状態であったと鑑定する。
 しかし藤代の助手である小川香深は別の鑑定をし、検察の草間に直訴し再鑑定人となり、独自の調査で柴田の内面に迫っていくのだが。

【上映日時】
2月16日(日)19:00
2月18日(火)11:00
2月19日(水)16:00
2月20日(木)19:00

 

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