法学館憲法研究所は、憲法を系統的に研究し、個人の尊厳の実現をめざす非政府組織としての自由な研究機関です
  言葉で表せない気持ちをケーナで表現したい 2018年8月20日  
  西山健二さん(ケーナ奏者)  
 

—— フォルクローレを知るきっかけは
(西山さん)
 学生時代によくFMをラジカセに録音をしたりしていました。その頃、キラパジュンというチリのチームが日本に来ていて、いいなあと思って聴いていましたが、同時に録音したメルセデス・ソーサの曲、フォルクローレの母とよばれていたその人の歌声を聴き、その力強さに圧倒されました。なんだこの人!って・・、フォルクローレに引き込まれたのがその瞬間でした。それ以降ずっとメルセデス・ソーサに惹かれてきました。カセットテープのA面はキラパジュンとメルセデスソーサ、B面はこれも好きだった「勧進帳」(笑)、それを何回も繰り返し聴いていました。

—— ケーナとの出会いは
(西山さん)
 知り合いから「ちょっとこれ聴いてみない」ってケーナのレコードを聴かされて、えー、なにこれ、すごいねっていう話をして、それがケーナとかサンポーニャとの出会いでした。そのあと兄が「これ長野の古道具屋で見つけてきたぞ、お前、笛好きだろう」って言って笛をくれたんです。そのころ僕は八ヶ岳のふもとに住んでいて、家の前が林でした。その林に向かって笛を吹いてみると、音が木にあたってフワッと戻ってきて、とっても気持ちのいい音になるんです(木霊というんですってね)。俺って天才だなって勘違いしたわけです(笑)。その笛がケーナであることは、後になって兄から知らされたんですけど(笑)。

—— どういうところが魅力ですか。
(西山さん)
 フォルクローレといってもいろいろな曲があるので一概には言えませんが、スペインに支配されてきた歴史がありますよね。そのときに自分たちの宗教も変えられてしまう。だけどスペインに文句も言うこともできない。そこでスペイン人が来られない標高の高いところで祭りをやったりした。そうしたことと関係した歴史のなかで継承され、作られてきた音楽です。
 音楽って、言葉にできないものを「音」として伝えるという面もあると思うんです。たとえば「悲しみ」といえば、「悲しい出来事」そのものもあれば、それを乗り越えようとする気持ちも含まれてくることもあるでしょう。また自分の力ではどうにもできない大きな力によって「奪われた悲しみ」もあります。そのときは、きっとそれは「怒り」の表現でもあります。そういう言葉ひとつでは表せられない気持ちを、ケーナの音で表現したいです。ケーナの音でなら僕も自分自身を素直に出せるのかなって思いました。

—— 日本国憲法について思うところを聞かせてください
(西山さん)
 僕は幸せになりたい。そのためには家族が幸せでないと僕は幸せでない。家族が幸せであるためには安心して暮らせる社会であってほしい。暮らしに困っている人がたくさんいたり、隣の国と争いになりそうな社会は困ります。多くの人が幸せに暮らし、隣の国の人とも仲良くしていくこと、憲法って、ちょこっと読んでみても、そういうことが、いろんなところに書いてありますよね。憲法って人々の幸せとか愛とか、そういうものだと思います。そういう意味で僕はいまの憲法を大切に思っています。


 

西山健二(にしやま けんじ)さんのプロフィール

ケーナ・サンポーニャ奏者。妻と娘の3人で「PukaT'ika(プカティカ)」(ケチュア語で赤い花の意味)というチームで演奏しています。ケーナの講師として自宅等でレッスンをしています。自分で製作したケーナは3000本ほど。もう一つ、大人のための理科教室もしています。宇宙のこと、人体のこと、地球の歴史、ひとつ理解したと思うとまた別の疑問が出てくる、音楽も理科も楽しいですよ。

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